「2時間で低血糖になって死んでしまう子犬も」 ペットオークションの闇に迫る… ルール無視で“やりたい放題”
「歯の状態から見て8週齢に達していない可能性が」
これらの点についてプリペットの担当者に取材を申し込んだが、 「上の者が夏休みで海外に行っており、ご回答できません」 としてまともに対応しなかった。 一方、「P's-first」(ペッツファースト)の店舗で本誌(「週刊新潮」)が調査したところ、8週齢を過ぎていない可能性がある子犬が展示されていたことは前編【ペットの殺処分がなくならない“本当の理由”は 「飼ってはいけない人たちに無理やり売りつける仕組みが」】に詳しい。さらにその後、子犬生育の専門家がいくつかの店舗で調査したところ、8週齢以下の可能性がある子犬が複数見つかった。中でも、吉祥寺本店の「(1)ポメラニアン×チワワのミックス」と吉祥寺サンロード店の「(2)チワワ」に関しては、 「(2)は8週齢にしては体重が軽かった。(1)については明らかに体重が軽かった。口内の歯の状態を見ても、5~6週齢の可能性がある」(調査した子犬生育の専門家) また、この2頭の口内の歯の状態がある程度分かる写真を複数の獣医師に見てもらったところ、 「写真だけでは完全には判断できないが、歯の状態から見て8週齢に達していない可能性がある」 との証言が得られた。
ペッツファーストの回答は
果たしてペッツファーストは法令違反を犯しているのか否か。(1)と(2)の子犬などが8週齢に達していないのではないか、とペッツファーストに問い合わせたところ、(1)については、 〈誕生日5月10日(当社取引時日齢58日齢)〉 (2)については、 〈誕生日5月11日(当社取引時日齢62日齢)〉 であるとして、いずれも8週齢を超えている、との回答だった。さらに、これらの子犬について、ペッツファーストの獣医師、外部の動物病院、大学教授の3者に診断してもらったところ、次のようにコメントしたという。 〈取引時にも57日齢の経過確認をしており、当時の履歴もあるが、現在においても月齢に応じた成長を認めている〉(ペッツファーストの獣医師) 〈月齢に応じた成長が見られる〉(まるこ未来動物病院) 〈現在の日齢に合った成長具合であることは推測できる。門歯が全て生えそろっていることと57日齢を経過していることは必ずしも一致しない子犬猫も多数いるため確定診断は難しい〉(大学教授) ちなみに回答書に添付された7月30日時点の「診断書」によると、(1)の体重は560グラム、(2)は720グラム。いずれも環境省が公表した平均体重を下回っている。また、同社によるとそれぞれのブリーダーはこう話しているという。 〈生後58日齢での販売であることはサイズが小さめであっても間違いない〉 〈サイズが小さめであっても生後62日齢での販売であることは間違いない〉
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