「2時間で低血糖になって死んでしまう子犬も」 ペットオークションの闇に迫る… ルール無視で“やりたい放題”
訴訟をちらつかせるペッツファースト
つまり、ブリーダーが「間違いない」と言っているから法令違反はない、と主張したいようなのだ。しかし、環境省の調査の結果、一定数のブリーダーが出生日を偽装していた可能性が指摘されている。本誌はブリーダーが虚偽の説明をしていないことを示す、(1)や(2)の取引時の生体や口内の写真を提示するようペッツファースト側に求めたが、応じなかった。 それどころか、本誌が法令違反の疑いを指摘した(1)や(2)などの生体の店舗販売をいったん取りやめたと主張し、 〈販売機会を失うなどの損害に対して損害賠償の請求を貴社に対して行う旨ご理解ください〉 と訴訟をちらつかせるのだ。法令違反がないなら堂々と販売を続ければいいではないか。 「ペッツファーストからの回答書で大学教授が“8週齢で門歯が全て生えそろっていない子犬も多数いる”という趣旨の話をしていますが、これはおかしい。正しい誕生日が分かっていて、8週齢を過ぎても門歯が生えていない子犬というのはまずいないと思います。少なくとも“多数いる”ことは絶対ないと経験則として言えます」((1)と(2)の口内の写真を見た獣医師の一人) 法令違反の子犬が売られている可能性があり、それが殺処分問題と密接につながっている。その事実を多くの人が“知る”ことが何より肝要ではないか。 前編【ペットの殺処分がなくならない“本当の理由”は 「飼ってはいけない人たちに無理やり売りつける仕組みが」】では、殺処分を生み出す構造的な要因である、ペットショップでの「ミスマッチ」や、幼過ぎる子犬が売買されていることの問題点について報じている。 *** 「週刊新潮」および「デイリー新潮」では、今回の事件について、情報を募集しています。下記の「情報提供フォーム」まで情報をお寄せください。 情報提供フォーム: https://www.dailyshincho.jp/confidential/ 「週刊新潮」2024年8月15・22日号 掲載
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