全日本大学駅伝へ青学大の原晋監督「イーゴ大作戦」発令 力強い翼を持つワシの大学マスコット
今季の学生3大駅伝第2戦、全日本大学駅伝は11月3日、名古屋市熱田神宮西門前スタート、三重・伊勢市伊勢神宮内宮宇治橋前ゴールの8区間106・8キロで行われる。レース前日の2日、監督会見が行われ、6年ぶり3度目の優勝を狙う青学大の原晋監督(57)は学生3大駅伝恒例として「イーゴ大作戦」を発令した。 イーゴは、ワシ(イーグル)をモチーフにした青学大の公式マスコット。大学の公式ホームページによると「聖書の中では、強く天に向かって羽ばたく鷲(ワシ)が、神の力を受けて歩む信仰者のたとえとして用いられ、運動の敏速さや不屈の精神をもつその力強い翼に、人々が希望を抱くものとして引用されています」という。原監督は「青学大駅伝チームも力強い翼を持ったイーゴのように『いいゴール』に向かって走ります」とダジャレを交えて力強く宣言した。 青学大は今年1月の第100回箱根駅伝では総合新記録で2年ぶり7度目の優勝を飾った。年度またぎの大学3大駅伝連勝を狙った今季開幕戦の出雲駅伝(10月14日、島根・出雲市=6区間45・1キロ)では5区まで国学院大、駒大と激しい優勝争いを演じたが、アンカー平林清澄(4年)の力走で5年ぶり2度目の優勝を飾った国学院大とは1分差、2位の駒大とは20秒差の3位に終わった。 出雲駅伝で「かっとばせ!大作戦」を発令した原監督は「大ホームランを打ちたかったけど、ポテンヒットだった。辛うじて次にはつながった」と総括した上で、全日本大学駅伝に向けて「出雲駅伝と同じく、国学院大、駒大とアンカーまで勝負がもつれるような展開になるでしょう。全員で勝ちに行きます」と意気込みを明かした。 国学院大、駒大、青学大の「3強」を中心に、出雲駅伝4位の創価大、同6位の早大、同7位の城西大、さらには今年の箱根駅伝13位で出雲駅伝には出場できなかった中大なども序盤に流れに乗れば優勝争いに加わる力を持つ。 ◇青学大・原晋監督発令の大作戦シリーズと結果◇ 13年箱根駅伝 Z大作戦(エース出岐雄大を切り札としてアンカーに起用。アルファベットの最後のZが由来)8位 14年箱根駅伝 S大作戦(9、10区に世羅高出身の藤川拓也、竹内一輝を並べて勝負。世羅のSが由来)5位 15年箱根駅伝 ワクワク大作戦(原監督「初優勝できるかもしれない。ワクワクしている」。大作戦が初めて全国的に認知された)優勝 15年出雲駅伝 青トレ大作戦(中野ジェームズ修トレーナーの指導による体幹トレーニングの効果をアピール)優勝 15年全日本大学駅伝 あっぱれ大爆走大作戦(原監督「会見で司会者に急に振られて即興で考えた」。準備不足がたたり敗戦)2位 16年箱根駅伝 ハッピー大作戦(原監督「選手、スタッフ、監督、コーチ、OB、ファン全員がハッピーになるレースをします」)優勝 16年出雲駅伝 神ってるぞ青山大作戦(広島県出身の原監督がプロ野球・広島の緒方孝市監督が発した流行語をヒントに命名)優勝 16年全日本大学駅伝 エビフライ大作戦(原監督「(開催地の)名古屋と言えばエビフリャー。頭から尻尾まで全部おいしい」)優勝 17年箱根駅伝 サンキュー大作戦(3連覇&3冠を目指す。原監督となって9度目の出場。感謝の気持ちで臨む)優勝 17年出雲駅伝 陸王大作戦(原監督が出演したTBS系ドラマ「陸王」の番組宣伝? フジテレビ系放送の出雲では相性が悪く敗戦)2位 17年全日本大学駅伝 青山祭大作戦(学園祭シーズン。「打ち上げ花火をドンと上げたい」と意気込むも不発)3位 18年箱根駅伝 ハーモニー大作戦(混戦必至だが、指揮者を自任する原監督は「美しいハーモニーを奏でることが出来れば勝てる」)優勝 18年出雲駅伝 ヨロシク大作戦(出雲「4」勝目を狙う。「6」区間の総合力で勝負。ポイントは「4」区の吉田圭太。「9」度目の出雲路に臨む)優勝 18年全日本大学駅伝 メラメラ大作戦(原監督「出雲駅伝を勝ったが、チーム全員満足していない。メラメラ燃えています」)優勝 19年箱根駅伝 ゴーゴー大作戦(原監督「アチチ、アチ、燃えてるんだろうか! 箱根5連覇に向けて郷ひろみさんのように燃えています」。しかし、不完全燃焼で惜敗)2位 19年出雲駅伝 出てこい!駅伝男大作戦(原監督「レースで練習以上の力を出せる駅伝男が出てきてほしい」)5位 19年全日本大学駅伝 私(青学大)失敗しないので大作戦(今大会を放送するテレビ朝日系人気ドラマの主演・米倉涼子の決めゼリフ)2位 20年箱根駅伝 やっぱり大作戦(原監督「やっぱり青学大は強かった、と言わせたい」。宣言通りにV奪回)優勝 20年出雲駅伝 ※新型コロナウイルス感染拡大の影響で大会中止 20年全日本大学駅伝 コロナに負けるな!大作戦(原監督「選手、監督、大会関係者、ファン全員でコロナに勝とう!」)4位 21年箱根駅伝 絆大作戦(原監督「未曽有のシーズンの箱根駅伝では駅伝の原点である絆を大切して戦いたい」)4位 21年出雲駅伝 結(むすび)大作戦(原監督「縁結びの神様として名高い出雲神社からスタートするレースに団結して臨む。コロナ禍が早く終結することを願う」)2位 21年全日本大学駅伝 男前大作戦(原監督「青学大のイケメン(男前)ランナーが『男だろ!』のかけ声で力を発揮する駒大の前でレースを進める積極策で優勝狙う」)2位 22年箱根駅伝 パワフル大作戦(原監督「選手、マネジャー、スタッフの『力』を結集してパワフルに戦います」)優勝 22年出雲駅伝 パチパチ大作戦(原監督「まだコロナ禍の影響で大声の応援は難しいですが、すべての学生ランナーにパチパチと大きな拍手を送っていただきたい」)4位 22年全日本大学駅伝 プライド大作戦(前年度の箱根駅伝王者のプライドをかけて臨む)3位 23年箱根駅伝 ピース大作戦(原監督「世界中が平和になることを願う。平和であってこそ箱根駅伝が行われることに感謝)3位 23年出雲駅伝 イット!大作戦(5年ぶりの一等賞を狙う。出雲駅伝を放送するフジテレビ系のニュース番組「Live News イット!」の番宣も兼ねる)4位 23年全日本大学駅伝 名古屋大作戦(原監督「序盤の名古屋エリアがポイント」)2位 24年箱根駅伝 負けてたまるか!大作戦(絶対王者の駒大にチーム一丸で強い気持ちで挑む)優勝 24年出雲駅伝 かっとばせ!大作戦(原監督「ドジャースの大谷翔平に負けずに大学駅伝も盛り上げていきます」)3位 24年全日本大学駅伝 イーゴ大作戦(ワシをモチーフにした青学大の公式マスコット「イーゴ」から。原監督いわく「いいゴールを目指す」というダジャレもかかっている)
報知新聞社