米30年債利回りが上昇、一時4.86%-2023年11月以来の高水準
(ブルームバーグ): 6日の取引で米国債が下落。30年債利回りは2023年11月以来の高水準を付けた。
580億ドル(約9兆1400億円)規模の3年債入札を前にして、30年債利回りは一時5ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇し約4.86%となった。今週は火曜日に10年債、水曜日に30年債の入札が続き、週内で総額1190億ドルの国債入札が予定されている。入札が行われる曜日は通常それぞれ1日遅いが、9日の木曜日にカーター元大統領の国葬が催されるため前倒しされた。
トランプ次期政権の政策がインフレを再燃させるとの懸念から、ここ数週間に米国債は売り圧力にさらされている。6日はトランプ氏側近らが関税の対象を狭めることを検討していると米紙ワシントン・ポスト(WP)が報じた後、インフレ懸念が後退してドルは下落、米国債が下げを縮小したが、トランプ氏が報道を否定すると相場の動きはすぐに反転した。
PGIMフィクスト・インカムの共同最高投資責任者(CIO)、グレゴリー・ピーターズ氏はブルームバーグテレビジョンに対し、「膨大な量の債券が市場に流入する」と指摘。「供給は増える一方だ。インフレがもう少し根強いことが判明する、または加速に転じる可能性が高いこともあり、債券市場の圧力が強まっている」と述べた。
こうした緊張は米10年債利回りを既に押し上げている。6日に同利回りは4.64%と、昨年5月以来の高水準を記録。12月上旬以降の上昇幅はこれで約50bpに達した。
マクロ調査会社ビアンコ・リサーチの創業者ジム・ビアンコ氏は、10年債利回りが5%に向けて上昇する可能性があると予想した。5%は23年10月に付けたのが最後で、当時も07年以来だった。
原題:US Yields Hit 14-Month High Amid Auctions, Tariff Speculation(抜粋)
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Alice Gledhill