「立憲がリーダーシップを取っていく」辻元清美氏に聞く 「自さ社連立」以来30年ぶりの決選投票 今後の立憲の進む道は?
先月の衆議院選挙を受けた特別国会が召集され、総理大臣指名選挙では30年ぶりの決選投票の末、石破茂・自民党総裁が指名されました。 【アナリスト解説】なぜ政権交代できなかった? 自公で過半数割れでも「選挙前から望みゼロだった」 総理指名選挙を終え、立憲民主党代表代行の辻元清美参院議員に、石破氏が総理に選出されたことに対する受け止めなどを聞きました。
一番乗りは前夜から開門待ち 新人議員ら初登院
11日、召集された特別国会。まだ陽が昇りきっていない朝の5時半、選挙で初当選した議員らが開門を待つ光景はおなじみとなっています。 (維新新人・阿部圭史議員)「(Q.何時ごろから並んでいた?)きょうと言うより昨日の23時前くらいからですね」
議事堂に集まった議員たちの思いは人それぞれ。さらなる党の躍進を誓った新人議員や…裏金問題が発覚し、新たな議員生活を歩み始めた人も… (無所属新人・世耕 弘成議員)「禊という思いは全くありません。議員生活27年目の新人ということになりますけれども心機一転、新しい気持ちでしっかり頑張っていきたい」
「自さ社連立政権」以来 30年ぶりの決選投票 石破氏を選出
午後1時から始まった衆議院本会議。議長や副議長などが選ばれた後、内閣総理大臣の指名選挙が行われました。与党が過半数割れしているため過半数の233には届かず、決選投票にもつれ込みました。 これは自民党・社会党・新党さきがけのいわゆる「自さ社」連立政権で村山富市氏が総理に選出された1994年以来、30年ぶりです。 決選投票には自民・公明が推す石破総理と、野党第1党の立憲・野田代表が進みました 国民民主と維新は、自身の党代表に投票するとしていたことから多くの票が無効票に。 結果、得票数の多かった石破氏が第103代総理大臣に選ばれました。 今夜発足する見通しの第2次石破内閣。少数与党となった自民党は、難しい局面をどう乗り越えていくのでしょうか。
「決選投票を見据え、選挙前から逆算して準備。できなかったのが反省点」辻元清美氏に聞く 今後の立憲の進む道は?
――Q.決選投票の結果の受け止めは? 辻元氏:まず野党・野田総理誕生ができなかったのは大きな反省点です。もう一つですが、石破総理が獲得したのは221票。ということは、過半数に達しない人しか投票してないので、これからの国会運営はやはり与党だけの主導ではいかないという点。 それからもう一つ、参議院でも首班の指名があり、石破さん以外の自民党の方のお名前を書かれた方もいました。もしも自民党の人が書いたのであれば内紛というか、波乱の国会になると思います。 ――Q.野党が連携できなかった要因は? 辻元氏:選挙で競合していた相手の名前を書くというのは非常にハードルが高かったように思います。それと、決選投票まで至ることはここ最近なかったことですから、この首班指名への対応を選挙の前からきちんと逆算して、準備することができなかった。これは反省点だと思っています。 ――Q.国民民主党に世間が注目している状況。野党第一党としてどう見ている? 辻元氏:これから国会論戦が始まらないとどうなるかはわかりません。自民党は今必死ですから、藁にもすがる思いでいろんなところに声をかけています。 今までと大きく違う点として私は、委員長ポストが与野党でほぼ半々ぐらいになったということで、特に予算委員会の委員長を野党の議員が務めることになったと。各党が水面下で話をするのではなく、国会がクリーンでオープン、そしてフェアな議論をして、そして国民の皆さんにそれを見ていただく、そんな国会に変えていかなければならないと思ってます。立憲がほとんど委員長を務めますので、そこでリーダーシップをとっていかなければならないと。 ――Q.予算委員長が立憲に割り当てられ、これまで「予算審議の引き延ばしを野党がやっているのでは」という批判もあったが、今後はどのように進めていく? 辻元氏:それは引き延ばしではなく『十分な審議時間を取ってほしい』ということでした。安倍政権以降、自公が圧倒的多数を持ってましたので、強行採決することもありました。今度は委員長が野党ですから、十分な審議時間、与野党が納得いくとこまで議論しようということで、国会の風景がだいぶ変わるのではと考えています。 ――Q.いま新たな法案として3項目、政策活動費と旧文通費と第三者機関の設置について協議に入っているが、これだけで十分だと思うか? 辻元氏:私は企業団体献金の禁止、これはかつての政党助成金を入れるときからの積み残しになっている大きな論点だと考えています。私は今衆議院から参議院の方に移ってますが、政治改革特別委員会の委員になりましたので、その点も含めてやはり今、野党がみんな合意できれば与党も飲まざるを得ませんから、俎上に載せていきたいと思っています。 (『newsおかえり』2024年11月11日放送分より)