一丸でつかんだJ1 初昇格の岡山 選手やサポーターが歓喜
サッカーJ2・ファジアーノ岡山は7日、岡山市北区のシティライトスタジアムでベガルタ仙台とJ1昇格プレーオフ決勝を戦い、2―0で勝利した。J2参戦16シーズン目にして初めてのJ1昇格を決めた。 【写真】後半16分、ファジアーノ岡山の本山がシュートを決め、2点目が入る=2024年12月7日、岡山市北区のシティライトスタジアム、大野宏撮影 引き分けでも昇格が決まる岡山は前半20分、左サイドでこぼれ球を拾ったMF末吉塁が上げたクロスがそのままゴールに入り、先制した。末吉は「ファーに上げれば誰かが合わせてくれるだろうと思っていたが、蹴った瞬間、『あ、入りそう』。時間がゆっくり流れた感じで、自分でもびっくりした」と振り返った。 無失点で折り返すと、後半15分に投入されたFWルカオが、交代直後にドリブル突破でDFを引きつけ、中央のペナルティーエリア近くでフリーになっていたMF本山遥にパス。「完璧なパスだったので、あとは振り抜くだけでした」と本山。DFに当たってコースが変わり、2点目が入った。 木山隆之監督は「あれで勝利を確信した」。試合終了の瞬間、涙を流した。「感無量です。うれしいのを通り越して最高。クラブの悲願を成し遂げることができてほっとしています」 この日の来場者は1万4673人。本拠地の愛称は来年、「JFE晴れの国スタジアム」に変わる。新愛称にふさわしい青空の下、選手やスタッフは昇格記念Tシャツに着替えて場内を1周し、ファンと喜びをわかちあった。(大野宏) ■「赤」に染まったスタジアム J1での活躍に期待 J1初昇格が決まると、ファジアーノ岡山のチームカラーの「ファジアーノレッド」に染まったスタジアムではサポーターらが総立ちとなり、拍手が鳴りやまなかった。 家族4人で応援に駆けつけた岡山市北区の公務員川島正己さん(45)は「悲願のJ1昇格の場に立ち会えてうれしい」と喜んだ。 岡山県倉敷市の小学3年生、沼田一青さん(9)は昨年からサッカーを始め、ファジアーノが大好き。今年のホームゲームはほぼ観戦し、この日も父と訪れて、大きな声でチームを後押しした。「点を入れて、うれしかった。J1でも頑張ってほしい」と話した。 同県玉野市の会社員、重松豊彦さん(47)はチケットが取れなかったが、雰囲気だけでもと娘の結伊花さん(9)とスタジアム周辺で応援した。「岡山から念願のJ1。いずれJ1で優勝してほしい」と期待した。(勝亦邦夫)
朝日新聞社