女子100m障害、福部真子が準決勝でパリ五輪参加標準記録突破、優勝で五輪内定へ/陸上
陸上・日本選手権第3日(29日、新潟・デンカビッグスワンスタジアム)女子100㍍障害準決勝で、日本記録保持者の福部真子(28)=日本建設工業=が、12秒75の大会新記録をマーク。パリ五輪の参加標準記録を突破し、30日の決勝で優勝すればパリ五輪内定の条件となった。「とりあえずホッとしたところが一番大きい。やっとスタートラインに立てた」と笑顔を見せた。 【写真】レースを終え手を振る福部真子 同日午後1時からの予選で、いきなり12秒85をマーク。約4時間後の準決勝で、前半からスピードに乗って加速。力強いハードリングで進み、自身が持つ日本記録12秒73も見える好記録を出した。 昨年の世界選手権(ブダペスト)の代表選考大会だった日本選手権は、参加標準記録を突破した状態で迎え、3位以内で即内定の条件だった。決勝は競った状態でゴール。一度は電光掲示板の1位の位置に福部の名前が表示されたが、直後に修正され、結果は4位。歓喜の涙が、一転して悔し涙に変わってしまった。その後は、家族やコーチ、トレーナー、友人と、周囲の人の励ましで何とか気持ちを保つことができた。福部は、「去年のあの瞬間から、一度も忘れたことはない。あれがあったからこそ踏ん張れたところはあったし、自分にとってはすごく必要な経験だったと、今は感じている」と語った。 30日の決勝は、「五輪への挑戦は最後」と覚悟を持って戦い、2大会連続の五輪代表を狙う寺田明日香(34)=ジャパンクリエイト=や、五輪ランキングでターゲットナンバー内の日本勢トップに立つ田中佑美(25)=富士通=らとの勝負となる。福部は「優勝しか狙っていないので、しっかり自分の走りができれば優勝はついてくる」と力強かった。