「キノコ菌糸体」が描く唯一無二のデザイン、新感覚の京うちわ開発
キノコ由来の新素材「マッシュルームスキン(マッシュルームレザー)」を使った新感覚の京うちわを、合同会社「mushco」(東京)が京うちわの老舗「塩見団扇(だんせん)」(京都市山科区)と共同開発した。商品名は「京うちわ―茸和(Kinowa)―」。キノコが生えようとした跡が独特な柄として残り、唯一無二の柄が楽しめる。 キノコの菌糸体をおがくずや有機体の中に入れて育成したものを成型し、シート状にしたマッシュルームスキンを使用する。 天然由来で、シートに現れる菌の柄は一つとして同じものはない。そのため思ってもみないデザインが生まれるほか、製造にかかる環境負荷も低いという。 マッシュルームスキンに特化した商品を開発するmushcoが80年以上の伝統を持つ塩見団扇に持ち掛け、10月から国内の伝統工芸品を扱う「aeru gojo」(京都市下京区)で販売を開始。また京都伝統産業ミュージアム(京都市左京区)では来年3月31日まで商品を展示している。 価格は2万7千円(税込み)。mushcoは「このうちわはインテリアに最適。日本の伝統工芸や天然の生み出すデザインに興味のある人は一度直接に触れ、そのよさを感じてほしい」としている。(園田和洋)