早大が4年ぶりに帝京大を撃破 1年生が大暴れ WTB田中健想が5トライ/関東対抗戦
ラグビー関東大学対抗戦(3日、秩父宮)2試合を行い、早大は1年生WTB田中健想(けんぞう)の5トライなどルーキーが躍動し、帝京大に48―17で快勝。対抗戦では4年ぶりの帝京大戦勝利で4戦全勝とした。対抗戦、全国大学選手権ともに3連覇中の帝京大は両大会を通じての連勝が「34」で止まった。明大は筑波大に31―0で勝ち、開幕5連勝。筑波大は3勝2敗となった。 【写真】この日自身4本目のトライを決める早大・田中健想。左端は歓喜する矢崎由高 今季の大学ラグビー最多となる1万2883人の観客で埋まった秩父宮で、アカクロジャージーが躍動した。早大が全国大学選手権4連覇を目指す帝京大から7トライを奪い、このカード4年ぶりの勝利。大田尾竜彦監督(42)は「何としても越えなければならない相手。自分たちのやるべきことに集中してくれた」と相好を崩した。 原動力となったのは2人のルーキーだ。WTB田中健は5トライの大爆発。SO服部亮太は60メートル級のキックで場内を沸かせ、ランでも魅せて2トライ。2人でチームの全トライを稼ぎ出した。 前半13分、服部の飛ばしパスを受けた田中健は、野球や柔道など多彩な競技で鍛えた足腰を生かして先制トライ。19分には日本代表FB矢崎由高(2年)のオフロード(タックルを受けながらつなぐ)パスをもらって2本目を決めた。 「2本目は、由高くん(矢崎)と動き方を決めていました」と話す田中健が早大を選んだのは「ラグビーも勉強もできると思ったから」だ。大田尾監督は「気負わずに試合に臨んで、パシッとスイッチを入れられる」と評する。 神奈川・桐蔭学園高1年の夏前に左膝前十字靱帯(じんたい)を断裂し、復帰したのが1年後。そんな経験から、「ラグビーをやれる幸せを感じること」が気負わないメンタルにつながっている。 「先を見ず、1試合1試合に集中したい」と田中健が話せば、「荒ぶる(大学日本一になったときだけ歌われる優勝歌)へ一段階、チーム力を上げないと」と服部。2人の注目ルーキーが、2019年度以来の高みへの扉を開く。(田中浩)