「ガチのタカガール」バレーボール女子日本代表の守護神が語る「私の推し」ソフトバンク周東佑京の魅力
祝優勝! バレーボールSVリーグ女子のSAGA久光スプリングスの西村弥菜美(24)が、プロ野球ソフトバンクの4年ぶりのパ・リーグ制覇に喜びを爆発させた。地元福岡県出身で自他ともに認める「ガチファン」。チームの活動拠点が隣県の佐賀県鳥栖市ということもあり、今季も本拠地みずほペイペイドームのスタンドで何度も声を枯らした。守りの要のリベロとして、女子日本代表でもさらなる飛躍が期待される「タカガール」の守護神が熱いホークス愛を語った。(聞き手・構成=西口憲一) ■ 西村弥菜美がVIVA、どすこい、熱男…ポーズを次々と披露【写真】 ◇ ◇ ◇ ―ソフトバンクのパ・リーグ制覇、おめでとうございます 「優勝…もう最高すぎます! 私、ホークスが大好きなんです」 ―西村選手の「ガチファン」ぶりは有名ですよね。ファンになったきっかけを教えてください 「福岡出身なので、もともと『野球はホークス』だったんです。姉が宮崎キャンプに行くぐらい好きで、その影響もあって、私もドームに足を運ぶようになりました。興味を持ち始めた頃はただ見に行く感じでしたが、最近は『推し』もできて…。なおさら観戦が楽しくなりました」 ―推しの選手は? 「周東佑京選手、その次が川瀬晃選手です」 ―周東選手の魅力は? 「一番は育成からはい上がってきたところです。WBCでも『走る』という目的と役割があって、それを全うする姿がすてきでした。私にも『リベロ』としての役割があるので、その意味でも、すごく引かれます」 ―周東選手は今季から選手会長を務めています。西村選手も副キャプテンに就きました 「(28歳の)周東選手はチーム内で年齢的に上ではないと思うんですよ。今年は若手もどんどん出てきている中で、選手をまとめる姿とか声を出している姿とか…。すいません、マニアックな話もしていいですか?」 ―どうぞ 「周東選手って、センターを守っているじゃないですか。試合中にレフトとライトの選手に『こっち』とか『あっち』とか細かく指示を出しているんですよ。そして、自分は前に詰めたりとか…。そしたら、そこにボール(打球)が飛んで来たりするので『わあ、すごい!』とか言って、感動しています」 ―ところで、スタンドのどこで観戦しているんですか? 「あはは、外野スタンドです」 ―本当に細かいところまで見ているんですね 「リベロでも(サーブレシーブなどでコート内の選手に)指示を出したりするので。足が速いだけじゃなくて、そういう読みとか、相手のバッターの特徴や打球の傾向も頭に入っているんだろうなと想像しちゃいます。リベロもサーバー(サーブを打つ選手)の特徴をいろいろ考えないといけないので、勝手に共通点があると思っています(笑)。あっ、スタイルもいいし、ユニホーム姿がめっちゃカッコいいところも好きです」 ―「共通点がある」周東選手とバレーボール対決ができたら面白そうですね 「守備、むっちゃうまいじゃないですか。周東選手なら(ボールに飛びつくようにしてレシーブする)フライングも簡単にできそう。この前、井上(未唯奈選手)と一緒に見に行って、そういう話になりました。『絶対にレシーブできるよね』って。でも、外野に飛ぶ打球って…(目が)追いつかなくて見失うんですよ。『あっ、ボールどこ? あっ周東選手が捕ったあ』って叫んでます」 ―今シーズンは、何回ぐらいみずほペイペイドームに足を運びましたか? 「マナミさん(万代真奈美選手)と2回行きましたし、井上とも行ったから…。(指折り数えながら)そうですね、確実に6回は行ってます。9月18日にも応援に行きました。前の日(17日)に勝っていれば、優勝の可能性があった試合でした。せっかくだし、近くで感動したくて、ちょっと奮発して外野(席)じゃないところで応援しました。でも、日本ハムに負けちゃいました。伊藤(大海)投手にやられちゃいました」 ―本拠地での小久保裕紀監督の胴上げを見たかったですね 「そこは残念で…でも、ここで優勝が決まったら、私たち(SAGA久光)が今シーズン優勝するために必要な運を使い果たしてしまうような気がして『運を取っておこう!』と、自分に言い聞かせました。それと、試合が終わってから(福岡でのレギュラーシーズン最終戦だった)日本ハムの新庄(剛志)監督と選手の皆さんが外野まで来て、ファンの方々に向かって丁寧にあいさつをされたのもすがすがしかったです」 ―それにしても、西村選手が普段外野スタンドで応援しているのは驚きですね 「めっちゃ声を出したいんですよ。それに外野の方が周東選手に近いじゃないですか。サインボールのチャンスもあるので、ひそかに狙ってます(笑)」 ―ファンに気付かれませんか? 「全然。1回しか声をかけられたことはありません。ごみを片付けに行った時に『ニシムラさ~ん』と呼ばれて…。今年は『鷹祭SUMMER BOOST meets 天神夏まつり』にも行きましたよ」 ―球場で欠かせない食べ物や飲み物は? 「基本的に選手メニューを食べてます。最近だったら、牧原大成選手の『高菜めんたい玉子焼きおにぎり』とか、有原航平投手の『四川風坦々焼きそば』が、おいしかったですね」 ―ソフトバンクがリーグ優勝して、日本シリーズ4連覇を果たした2020年は岡山シーガルズでプレー 「岡山の時はサイトの速報とかで、よくチェックしていました。巨人と決勝(日本シリーズ)だったじゃないですか。あとアウト1個で優勝だとかいって、急いで家に帰ってテレビをつけて…最後、森唯斗投手(現DeNA)が抑えた時は、もうやばくて。クリちゃん(栗原陵矢選手)がMVPを取ったんですが、クリちゃん、その後にけがをしちゃったんですよね」 ―よく覚えていますね。 「あはは、私はガチファンですから(笑) 今の素直な気持ちは…近藤(健介)選手がホークスに来てくれて『ありがとうございます!』って言いたいです。そうそう山川(穂高)選手も来てくれて『ありがとう!』って感じです。でも、近藤選手、この前足を痛めたんですよね、CSに間に合うかなあ」 ―心配ですよね。そういえば、けがで戦列を離れていた柳田選手が2軍戦で実戦復帰しました 「結局行かなかったんですが、(ファームの)球場が(鳥栖から近いタマスタ)筑後だったんで、柳田選手が復帰した日(9月20日)の2軍戦、見に行こうかなとも思ったんですよ」 ―同じ九州のプロチームとしてモチベーションになる部分も多いですよね 「純粋に野球が好きなのもあるんですが、刺激になりますし、心から楽しいと思えます。何よりエネルギーをいただけますよね。こんなに近く(の佐賀)でバレーができて、ホークスの試合をたくさん見ることができる環境に感謝です。いつか、ドームで始球式もしてみたい。準備は万全ですよ。(投球フォームを披露して)ほら、こうやって投げられますから」 ―10月にSVリーグが開幕します。ホークスに続いて優勝して「アベックV」を飾りたいですね 「選手とファンが一丸となって、最後まで諦めずに優勝を目指す空気って、すごくいいですよね。スプリングスにも素晴らしい選手がたくさんいます。それぞれの『推し』を、チームと一緒に応援していただけたら、本当にうれしいですね」 【#OTTOバレー情報】
西日本新聞社