オンラインコマースの王者 Amazon 。実は顧客の平均消費額はウォルマート以下
ハイエンドブランドへの進出
現在、両社は特にサブスクリプションサービスによって多くの顧客を引き込もうとしており、富裕層をターゲットにする傾向が強まっている。ウォルマートは低価格で知られているが、内装を改善したりハイエンド商品を提供したり、全米で800の小売店舗を改装または増設してきた。4月には「ベターグッズ(Bettergoods)」と呼ばれる、プレミアムで特選された食材を扱うプライベートラベルの食料品ブランドをローンチした。 一方でAmazonは、2020年にハイエンドファッションや美容ブランドを購入できる「ラグジュアリーストア(Luxury Stores)」を立ち上げ、米国のラグジュアリーファッション市場に参入した。その2年後にはこのベンチャーは欧州にも拡大された。 Walmart.comとAmazon.comの顧客消費額の差については、アーカンソー州ベントンビルを本拠とするウォルマートの食料品売上における優勢さが物語っている。これはAmazonが市場シェアを獲得するのに長年苦戦してきた分野だ。 「おそらくパンデミックによる購買行動の変化が少しの後押しとなり、Walmart.comは食料品における成功をオンラインでの食料品のショッピングに転換することに成功したのだろう。Amazonは対照的に、自社の巨大な顧客ベースに対してより多くの食料品の販売を促進できるような戦略を模索し続けている」とCIPRのレビン氏とローウィッツ氏は記す。このデータはまた、ウォルマートがその強固なサービスである「カーブサイドピックアップ(Curbside pickup、オンラインで注文した商品を店舗の駐車場で受け取るサービス)」によってオンライン販売を促進していることも反映されていると同アナリストらは分析している。これは米国の4600を超えるウォルマート店舗の近くに住む膨大な数の人々にとって、便利なショッピングの選択肢だ。