眼下に広がる“日本アルプスの紅葉”を満喫!新潟発の新たな航空会社「トキエア」って何? 機内で味わった“感動フライト”とは
◆狙いのひとつは、首都圏や関西圏と世界遺産の佐渡を航空路線で結ぶこと 背景には佐渡金山の世界遺産登録がありました。すでに2024年7月27日に世界遺産登録が決定していますが、トキエアはこれが観光客の呼び水となると想定し、これに合わせた就航を目指したというわけです。 ただ、佐渡空港の滑走路は長さが890mしかなく、ATR72-600では定員を乗せて離発着はできません。そこで、トキエアでは佐渡空港のような短い滑走路でも離着陸できる「ATR42-600S」の導入を目指しましたが、開発の遅れから早くても25年度中の導入になる見込みとなりました。 そこで、まずは標準型の「ATR42-600」が3号機(JA03QQ)を導入して需要に対応しようとなったのです。その理由はこの機材なら定員を22名まで減らせば800mでの離着陸が可能で、さらに滑走路を含む着陸帯を活用すれば1010mまで延長でき、定員を減らすことなく離着陸が可能になるからです。 この実現には障害物となる空港周辺の立木や建物の除去が条件ですが、すでに佐渡空港ではその準備に取りかかっており、空港ターミナルの改修もこの夏までにほぼ完了。これが実現することでトキエアとしては、佐渡から新潟だけでなく、首都圏(成田空港が有力)や関西などへの直接乗り入れも実現したい考えです。 これまで首都圏では大半がジェット機によるフライトとなっており、プロペラ機は馴染みが薄かったと思います。しかし、今回のフライトを通して、プロペラ機ならではの地上を間近に観ながらのフライトは、ジェット機によるフライトとはひと味違う体験となったことは確かです。トキエアが首都圏や関西に就航することで、どんな新しい風景を見せてくれるか、今から楽しみになりました。
会田肇