京産大から初「国家一種合格」浪人重ねた彼の覚悟 母校初の快挙を成し遂げた彼の驚きの人生
2浪のときと同様に、模試もちゃんと受けてそのたびに成績がよくなるのを確認していました。1浪目では3割取るのも難しかった教養試験でしたが、最後のほうは半分程度は取れるようになりましたし、専門科目も7割程度取れるようになったので、同じ調子が本番で出せれば合格できるかもしれないと思いました」 ■母校で初めて国家一種試験に合格 幸い本番でも力も出し切れた彼は、県庁こそ、またしても面接で落ちてしまったものの、3浪で国家一種試験に合格し、省庁に勤務することが決まりました。
まさに思いもしなかった合格のようで、母校の就職課に聞いたところ、最終学歴が京都産業大学で国家一種(行政職)に合格した人はKenjiさんが初めてだったそうです。「公務員にならないと生きていけないと思っていたから頑張れた」と語るKenjiさんは、次のように続けました。 「長く勉強した結果が、このような形で表れてよかったですね。高級官僚や一流大学の出身者に対して、劣等感を持たなくなったので、自信を持って人生を送れるようになりました。その点で、3浪して、公務員試験の勉強をし続けてよかったと思います」
省庁に入ってからのKenjiさんは、大学院に行ける制度を知り、横浜国立大学の大学院・国際経済法学研究科修士課程を受験して合格を掴みました。Kenjiさんは、「院試でさらに2浪したので合計5浪です(笑)」と語ります。 「当時も、現在の『自己啓発等休業制度』と同様の制度があったので、利用させていただくことにしました。受験は勤務しながら受けたのですが、大学院に行っている間は仕事をしないで、勉強をさせてもらいました。横浜国立大学大学院の試験では、大学院における研究に必要な英語力が問われたのですが、3浪して勉強したのがとても役立ちましたね。あの勉強をしないと受かっていないと思います。
横浜国立大学の院に入ってからは、とてもきびしい環境だったのでついていくのが本当に大変でしたが、集中して研究活動をする期間を2年与えてもらったので、大学時代と同じく、大学院も絶対留年しないようにしようと思い、必死に勉強して留年せずに修了できました。親族に大卒者がそんなにいない環境から、アカデミックな環境に行けたことが、私の財産です」 横浜国立大学の大学院を修了した後は省庁に戻り、現在も国家公務員として勤務を続けるKenjiさん。彼は最後に自身の勉強経験・浪人経験を振り返って、こう語ってくれました。