「悪口を書いてくるやつは下に見てる」 本音を隠さない“クズ芸人”ナダルの生き方
いまや「クズ芸人」の代名詞となりつつあるのが、コロコロチキチキペッパーズのナダルだ。れっきとした『キングオブコント』のチャンピオンでありながら、世間ではコントの印象が薄い。テレビのドッキリ企画などでは平気な顔で先輩に暴言を吐き、周囲に悪態をつく。そのことを責められても素直に謝らず、言い逃れと逆ギレに終始する。彼がそれでも自信満々に生きられるのはなぜなのか。(取材・文:ラリー遠田/撮影:伊藤圭/Yahoo!ニュース オリジナル 特集編集部)
何を言われても「俺のほうが稼いでるし」
「テレビは悪いところばっかり使いますからね。いいことしても全然使われへん。テレビで流れているのは僕の一部だと思いますよ。TKOの木下さんとかクロちゃんとか(アンジャッシュの)渡部さんとか、僕よりヤバい人もいっぱいいますんで」 開口一番、あっさり開き直ってみせた。ナダルは先輩にも臆せず本音をぶつけて、ときに怒りを買う。しかし、それは人々がひそかに思っていることを代弁しているだけだという。 「みんな僕のことを悪く言いますけど、誰しもそういう部分はあると思います。僕の言うことで笑うのは、みんなもちょっと思っているからでしょう。それを普段は隠しているなら、皆さんのほうがエグいんじゃないですか」
バラエティー番組でクズ芸人扱いされれば私生活にも支障が出る。街を歩けば心ない一般人から「おい、クソ野郎」と声をかけられ、いつドッキリ企画にハメられるかわからずプライベートでも気を抜けない。テレビで取り上げられると、SNSでは洪水のように大量の悪口が書き込まれる。 「1回目の『アメトーーク!』(「ひんしゅく体験!ナダル・アンビリバボー」)のときなんて、吐き気するくらい悪口が書かれていて、ほんまに死にそうになりました。それはきつかったですけど、僕はそういうことを書いてくるやつのことは下に見てます。めっちゃしょうもないやつなんやろうな、って。あと、何を言われても、こいつらより俺のほうが稼いでるし、って」 持つべきものは金。稼いでいるという事実が、すさんだ気持ちをかき消してくれる。コロコロチキチキペッパーズは最近、YouTubeにも力を入れている。彼らのYouTubeチャンネル「コロコロチキチキペッパーズの『よろチキチャンネル』」は登録者数22万人を超える。その話題を向けると「YouTubeは金になりますからね」とニヤリ。ここでもやっぱり、金。 この男の目に映るのは金しかないのか。クズ、嘘つき、怪物……数々の汚名を着せられても、居直る姿勢を崩さない。彼が堂々と自分の本音を発信し続けられるのはなぜなのか。