「悪口を書いてくるやつは下に見てる」 本音を隠さない“クズ芸人”ナダルの生き方
妻から「親がナダルだったらどう思う?」
一時期はテレビの仕事の大半がドッキリ企画であることにうんざりして、断ってほしいとマネージャーに伝えたこともあった。すると、一気に仕事が途絶えてしまった。 「ドッキリしかなかったんや、って。それやったら、それをやりつつ新しいこともやっていけばいいか、と思うようになったんです」 ナダルはクズでサイコな側面ばかりが注目される現状も受け入れている。でも、芸人としてはもっと大きな目標がある。 「上の先輩を見てたら、ずっとそのまんまおもろい人がいっぱいいるので、そういうのには憧れるんですよね。誰もが面白いと思える人になりたいです。今はちょっと賛否両論すぎるので」 面白い人になりたい。その目標は実にまともでまっすぐなものだった。この真面目さもまたナダルという人間の一面だ。今のイメージを変えたいと切実に思っている理由の一つは、娘の将来を案じているからだ。
「今はまだ2歳だからわけわかってないですけど、大きくなって僕のことを調べていったら、たぶん絶望すると思うんですよ。奥さんからも『自分の親がナダルってなったらどう思う?』って言われたので、今は僕の本名を出すのはNGにしてます」 金を稼ぐことに人一倍こだわるのも、家族を養うための責任感の表れだ。芸人としてなりふり構わず笑いをもぎ取る一方で、父親としてまっとうで頼れる人間になりたい。ナダルの理想はどこまでも高い。 「結局、自分は根っこの部分がしっかりしてるんじゃないですか。パッと見は何か汚いものかもしれないけど。ウンコやと思ったら、よう見たらかりんとうやった、みたいな。……今のたとえは間違えましたけど(笑)」 厚顔無恥な金の亡者か、純粋無垢な好青年か。二つの相反する人格が混ざり合って構成されている怪芸人・ナダル。その正体はいまだ謎に包まれている。