【楽天のリテールメディア戦略】出店者広告市場のシェア50%超 メーカーには認知・購買・分析を一気通貫支援
メーカーが広告で卸先店舗での商品購入を促進
「楽天市場」に出店していないメーカーが横断的に販促できるメニューもある。「Sales Expansion(ブランド広告主向け検索連動型広告)」は、メーカーが「楽天市場」の検索画面に広告を出稿でき、取引している出店店舗を指定する形で送客し、後方支援を行う。日々、自社の商品を取り扱ってくれている出店店舗を、メーカーが広告という形で支援し、より「楽天市場」内の自社商品の流通を高めるとともに、卸先の店舗との関係強化を図ることができる仕組みだ。 春山氏は、「耐久消費財メーカーのCV(購入)経路を分析した結果、広告から来訪した経路のCVシェアが34.8%あった。オーガニックで来訪したユーザーにおいても、過去に広告を閲覧したユーザーの方がCVR(購買率)は高くなっている」と話す。 複数の広告プロダクトを提供していることで、それぞれの広告が無駄打ちになることを懸念する声もあるという。 春山氏は、「いわゆるカニバリについて消費財商品の事例で、TDAとRPPの重複はわずか2.5%だけだった。ディスプレイ広告をクリックをしていないが購入しているユーザーがたくさんいる。バナーを見て、サーチをして検索広告をクリックして購入に至るケースが非常に多い。このことからも2つをセットでご利用いただくことを推奨している」と話す。 「楽天市場」内検索と外部検索については、広告をクリックしたユーザーの重複は平均して10%程度となっているという。双方の検索連動型広告を効果的に使うメリットは大きいと強調する。 <オフライン向けの販促も支援> 楽天のエコシステムを活用したオフライン向けの販促施策も提供している。「楽天ポイントカード」と「楽天ペイ」がオフライン広告のアセットとなっている。 流通のID-POSを活用した広告配信・効果測定を支援する「Instore‐Tracking」も提供している。 春山氏は、「楽天IDを一部のオフラインのリテーラーとデータ連携している。『楽天市場』以外のデジタルメディアでターゲティングした場合、どこが一番効果的だったのかを相対的に評価できる」と話す。 レシートを撮影するとポイントがたまるアプリ「Pasha(パシャ)」を活用した販促支援も提供している。 多様な広告プログラムやサービス、ID連携の機能を活用した店頭連想販促施策「リテール販促キャンペーン」も提供している。 春山氏は、「メディアで訴求してクーポンを発行させていただき、ユーザーに店頭での購買を促進する。楽天IDを用いて、その購買データを計測することで、効率的な効果検証を行うことができる」と話す。