日本に広がる空き家問題…あなたの実家は大丈夫ですか?親が住まなくなった後の家をどうするか今のうちに考えておくべき理由
空き家を持ち続けると、お金がかかる
空き家は、持っているだけでお金がかかります。まずは税金。土地と家屋に対して、固定資産税と都市計画税を払うことになります。これは、土地や家屋の評価額に、それぞれ1.4%と0.3%の税率を掛けた金額です(地方自治体によって税率が変わることがある)。 毎年、4~6月ごろに、市区町村から固定資産税・都市計画税の納税通知書が送られてくるので、親に最新のものを保管してもらい、金額を確認しておきましょう。マンションの場合は、修繕積立金や管理費も払うことになります。 また、実家が火災保険に入っている場合は、保険料がかかります。空き家になっても近隣の火事によるもらい火や放火のリスクがあるため、火災保険は解約しないほうがいいでしょう。 特約がついている場合は、内容を確認して不要ならば解約すると、保険料の節約になります。実家を相続した場合は名義を変更する必要があるので、まずは、保険会社に連絡をします。
空き家の管理にはお金が必要
実家を「放置された空き家」にしないために、最低でも年1~2回は通風や掃除を行ったほうがよいのですが、その場合、ガスは解約するとしても、電気や水道が通っていないと不便です。そのため、月々の電気代と水道代がかかります。 実家に庭がある場合、年1回の帰省では庭木の剪定や草むしりは追いつきません。近所迷惑にならないように、年2回は、地元のシルバー人材センターや専門業者に頼んだほうがいいでしょう。 そして、忘れてはいけないのが、実家に通うための交通費です。遠方なら往復の飛行機代や電車代、実家に宿泊しない場合はホテル代もかかります。さらに、ご近所さんへの挨拶のための手土産も必要になります。 頻繁に帰れないからこそ、ご近所との関係は良好に保ちたいもの。きちんと挨拶をしている間柄なら、庭の草木が多少はみ出しても、文句を言われることがないからです。 このように、実家を維持するには、思った以上にお金がかかります。実家は長期間放置せずに、早めにどうするのか考えたいですね。 監修 弘中 純一(一級建築士事務所アルド住宅研究所主宰・宅地建物取引士) イラスト あさと ひわ
弘中 純一,小谷 みどり,横尾 将臣