犯人は「和菓子屋」でも「教師」でも「学生」でもない…大福を食べて44人が死亡した「史上最悪の食中毒事件」調査チームが突き止めた“真犯人”の正体(1936年の事件)
なぜ和菓子屋の店主は無事だったのか?
残る疑問は一点。三好野の店主や従業員も同じ大福を食べているのに、なぜ無事だったのか。石井ら調査班は「店主たちが食べたのは製造直後でゲルトネル菌の量が少なかったため中毒にならなかったのでは」との仮説を立てる。 つまり、長時間放置すると菌が致死量まで増えるのではと考えたのだ。そこで、実験として打粉にゲルトネル菌を加え湿度30%、室温25℃の状態で保管。すると、菌は6時間後に500倍、12時間後には1万倍まで増加することが明らかとなる。運動会当日の最高気温は24.4℃。さらに大福は竹の皮で包まれていたため、菌がより増殖しやすい高温多湿の状態となっていた。 こうして大福の菌は致死量まで増加。結果、未曾有の惨事が引き起こされたというわけだ。
鉄人ノンフィクション編集部/Webオリジナル(外部転載)
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