老化予防に若いうちからのボトックスは本当に有効か? 皮膚科医たちが徹底考察
シワへの予防的なボトックスから高機能スキンケアに夢中になるセフォラキッズまで、“アンチエイジング”を巡る議論が以前にも増して若い世代の間で盛んになっている。これらの早すぎる美容介入がもたらすのは害より益なのか。美容皮膚科たちがシワが発生する前にボトックスを打つことへのメリットや懸念点について教えてくれた。UK版「エル」より。
老若男女問わず美容医療が盛んに
美容業界に身を置く私に対し、あらゆる年齢層から投げかけられるひとつの質問がある。それは予防の観点から「ボトックスを打つ必要があると思うか」というもの。この問いはある種、独り言に近い相談として、私の日常に溶け込んでいる。 「ボトックスが必要かもしれない。シワを防ぐために少し試してみようかな」と話す人がいれば、他人が気づないレベルの小ジワの相談を持ち出す人もいる。友人は市販のレチノール美容液に十分効果があるかどうか疑問視していたり、予防的なケアに関する会話は以前にも増して私の生活に浸透してきている。 驚くべきことに、アンチエイジングに関する質問は女性や男性の区別がなく、さらに12歳の子どもからも寄せられている。なぜ、若い世代で予防的なエイジングケアが盛んになっているのだろうか。
目尻や額への予防的ボトックスは効果的!?
皮膚科医で「joonbyrd」の創設者であるアレクシス・グラナイト博士は、「予防的に行うボトックス治療とは、すでにあるシワや小ジワを直接治療するのではなく、新たにシワや小ジワが形成されるのを防ぐために毒素(ボツリヌストキシン)を使用するものです」と説明する。 ボトックス治療には通称“ゴルディロックス期間”と呼ばれる時期がある。これは、顔にシワが現れ始める年代であっても、まだ皮膚に深く刻まれていない段階を指し、多くの人はこの期間が長年にわたることが多い。この時期にボトックス治療を行うことでほうれい線をナチュラルに修正したり、新たなシワの形成を予防する、あるいは元の状態に戻すことも可能といわれている。 セレブ御用達の美容ドクターであるラーシャ・ラクシャニ博士は、「予防的ボトックス、特に目尻や額などのパーツは、小ジワが目立つ前の20代後半から30代前半の人に適しています」と話している。