老化予防に若いうちからのボトックスは本当に有効か? 皮膚科医たちが徹底考察
若者の間で予防的な微調整が増加しているのはなぜか
若者の間で予防的な美容処置が増えている理由については、英国で行われた最近の調査にその一端が垣間見える。 その報告によれば、若い世代の36%が「見栄えを良くするためなら何でもする」と回答し、さらに10%が将来の美容整形を検討していると答えている。 2020年の英国保健省の試算では、18歳未満に対するボトックス施術が41,000件行われたと推定され、これを発端に、この年齢層でのボトックスとリップフィラーの施術が禁止されることになった。
しかし、禁止にも関わらず、カイリー・ジェンナーのフィラーリップや、食欲を抑制するオゼンピック、バルファカットなどのトレンドが、インターネット上での議論を常に活発にしている。また、コスメに夢中なティーン、通称“セフォラキッズ”の台頭も見逃せない。 「GetHarley」のコンサルタントで皮膚科医であるアリア・アハメド博士は、「若者は外見に関する悩みを多く抱えています」と述べている。この問題は、次のようないくつかの重要な要因から生じている。
外見にまつわる悩みを加速させる5つの理由
「まず、ソーシャルメディアの利用が増えたことで、まるで自身がショーに出演しているかのような“見せられる”存在であることへの圧力が高まっています」 「さらに有名人との比較やフィルター加工された画像が溢れており、美容施術の利用しやすさ(手頃な価格設定、傷が残らない施術、あらゆる悩みを解消してくれるかのような選択肢など)も相まって、外見に関する悩みが強化されています」 「また、ビデオ通話やオンライン会議の増加によって、自分の顔を見る機会が増え、これが顔の分析や自己批評を助長しています。理想とされる完璧な顔のステレオタイプ(輪郭がはっきりとした大きな目、口角の上がった唇、整った顎のライン、クリアな目元など)が賞賛されることで、人々は化粧ではなく、永続的な変更が叶う美容施術に頼るようになってきているのです」
肌状態に合わないボトックスは“老け見え”の可能性も
近年、ベビーボトックスのような予防的な微調整の人気が高まっているが、多くの医師は早すぎる美容介入に慎重な姿勢を取っている。 グラニット博士は、「私は予防的な微調整やボトックスそのものを推奨しているわけではありません」と述べている。 「若い女性の間で予防的な美容医療に対する興味が高まっていますが、実際には多くの人が20代や小ジワができる前にこれらの治療を開始する必要はありません」 「若いうちからこれらの手法に頼ることは、実際には老けて見えたり、さらに悪いことに、年齢不詳で違和感のある表情を引き起こす可能性があります」と警告している。