【温暖化であえぐ野菜】形も崩れ、光合成の気孔自らふさぎ、産地リレーもままならず いっぽう暑いほど安く買えるのが「道の駅⁉」
温暖化と野菜事情。日本で野菜は、今まで通り作れなくなるかもしれません。産地が変わったり、収穫時期が変わったり、全て農業ハウス内で作らないといけなくなるかもしれません。そうすると値段が上がってしまう予測も…最前線を専門家など野菜のプロに取材しました。 【画像を見る】野菜の価格が見られるサイト、規格外が安く売られる「道の駅」
2023年の平均気温が最高を記録 ゲリラ豪雨も年々増加
農水省の資料によりますと、平均気温は100年前から比べると年々上昇しています。先に結論を言ってしまうと、この温暖化を何とかしなくてはいけないわけです。気温が上がるということは水蒸気が上にいき、いわゆるゲリラ豪雨のような雨の回数も増えています。農作物にも悪影響というのが出ていることはご存知でしょうか。
気温が上がると、なぜ野菜に悪影響?
暑くなると野菜に影響が出る理由① 光合成によって野菜はどんどん成長していきますが、暑すぎると自分の体内にある水蒸気をなるべく保っておこうと思って穴を塞ぐということです。具体的には光合成をする「気孔」という葉の穴を塞ぎ、蒸発しないようにする。でもそこは、二酸化炭素を吸う光合成の入口なので光合成が弱まってしまいます。 暑くなると野菜に影響が出る理由② 花粉が出来にくくなったり、受粉しても発芽しにくくなるということになり、育つ量も減ってしまいます。 暑くなると野菜に影響が出る理由③ 外敵にとっては、暑さが都合いいという厄介な虫(アブラムシやハダニ)がいます。いっぽう病気から守ってくれる微生物は、暑さで駄目になっているかもしれないので、病気が出てきてしまい育ちにくくなります。 ちなみに、キャベツ・レタス・白菜も、本来はあんなふうに巻いてない。植物は本来、光合成するために葉は開いてるものだそうです。人間の都合でなぜあんなふうに巻いたのか、というと、中が白くて柔らかくなり、えぐみがなく柔らかくて美味しくなる、それを優先して巻いています。 ただ、巻くのには適温があるそうで、野菜によって違いますが気温15℃くらい。気温が高いと、だらんとなって美味しくもないということです。メカニズム的に形が悪くなってしまうこともあり、取れる量が減り、結果、値段も上がってしまいます。