「マシンガン打線」のレジェンドが独立リーグ監督になった プロ野球・元横浜のロバート・ローズさん
プロ野球横浜(現DeNA)で「マシンガン打線」の主軸として活躍したロバート・ローズさん(56)が、独立リーグのヤマエグループ九州アジアリーグで熊本県を拠点とする火の国サラマンダーズで監督に就任した。監督業は初めてで「楽しみ。自分が本当にやりたいと願っていたこと」と胸を高鳴らせている。日本で指導者を務める意気込みや、現役時代の思い出を柔和な表情で語った。(共同通信=木村督士、児矢野雄介) 【写真】ローズ氏「マシンガン打線再現」 独立リーグで新監督、火の国
▽成功の助けに 米国のマイナーリーグで打撃コーチを務めた経験がある。日本プロ野球外国人OB選手会の仲介で火の国からのオファーが届き、快諾した。 独立リーグは日本野球機構(NPB)の12球団を目指す若者が腕を磨く場で、火の国は国内各リーグの優勝チームが争うグランドチャンピオンシップで2連覇している強豪だ。「彼らが行きたいと思うところまで導けるようにしたい。力はあるんだけども、行きたいレベルにまでちょっと届いていない選手たちに、丁寧に指導して、できる限り成功の助けとなりたい」と言葉に力を込めた。 ▽マシンガンの中核 ローズさんは1993年に横浜に入団し、来日1年目から打率3割2分5厘、94打点をマーク。「野球は野球だからね。唯一適応しなければいけないのは文化で、家族がしっかりとケアされるようにというところだった。そこが分かれば心配はなかった」とすぐに新しい環境に順応し、日本での8年間で打率3割台を7度記録した。
98年も打率3割2分5厘、19本塁打、96打点の好成績を残し、チームの38年ぶり日本一に貢献。4番打者のローズさんを中核として打線がよくつながり、打ち出すと止まらない攻撃は「マシンガン打線」の異名を取った。当時を「皆の打撃が伝染したと思う。打席に立つ選手が打つのを見たら、切磋琢磨して自分も次に打ちたいと思う。自分たちはそれをやり続けた」と振り返った。 現役時代に最も手ごわかった投手は桑田真澄さん(巨人)だったという。「シュートがあるのに加え、相手をびびらせるような表情。そんなに大きくないはずなのにマウンドに立てば、背が高く感じられて存在感がすごかった」とたたえた。 ▽権藤さんに教わったこと 98年に監督として横浜を頂点に導いたのは権藤博さんだった。「選手からベストを引き出そうとする情熱と、実際にそれができる能力があった」とその手腕に感銘を受けた。「才能の持ち主が能力を十分に発揮していないのを見たら、活を入れるタイプ。その信念は好きで理想の監督でもある」と言い、自身の指導にも生かすつもりだ。