読む前から気が重い「文章による企画書」の弱点、しつこく説得されることへの「拒否反応」が起こることもある
自分の知識・経験・能力をフル活用して、企画を立案する必要があるのです。自分との対話には、図解を使うのが最も効率的です。自分のなかにある発想や経験を紙に書き、図にしていくことで、関係性や構造が目に見えるようになります。これを繰り返すことで、新しい発想や企画が生み出されるのです。 ■文章の企画書は「考えないとわからない」 企画書は、一体、誰のために書いているのでしょうか。もちろん、読んでもらう相手の承認、賛同を得るために作成しています。したがって、相手に合わせて作ることは最低限の条件です。そのように考えると、いままでさまざまなテーマで述べてきたように、文章で綴った企画書は、利点もありますが欠点もあるのです。
現在はまだ、文章による企画書がはばをきかせているようですが、図解をうまく使った企画書を書くことによって、説得力のある企画書を書くことができるようになります。そこで少々古いですが、1985年発売のJTBのヒット商品「たびたび」(旅行券の分割前払いプラン)をもとに図解企画書を作ってみます。 下の文章企画書は、私が書いたものです。 この企画書を図解したのが次のページの図です。文章による企画書は、読むのに時間がかかります。文字がびっしり詰まった企画書は、枚数が多い場合も多く、書いた人の費やした時間や労力に対し「ご苦労様」という気持ちは起きますが、文章の内容を考えながら読み進むことを考えると、読む前から気が重くなります。
文章は、最後まで読まないと全体像がなかなか理解できない上に、少しでも横道にそれていたりすると、また前後の文脈を追いかけることになり、効率が悪くなりがちです。企画書は相手の賛同を得るために作っているのですから、しつこく説得されると、拒否反応も起こしたくなるものです。 ■「図解企画書」はポイントがひと目でわかる これに対し、図解企画書はこの例でもわかるように、全体像がひと目で理解できると同時に、企画書のポイントを把握することが容易なため、賛同を得やすいことが長所です。また、文章が前後の文脈を追いかけるのに対し、上下左右を十分に使った2次元空間を利用しますから、それだけパワーが大きくなります。