今年はお酒作りにチャレンジしてみようと思っています。家で飲む分には問題ないと聞いたのですが、他にルールはあるでしょうか?
フルーツ漬けのブランデーや梅酒といったリキュール類は、自宅でも簡単に作れます。お酒好きの方なら、いつかは自作にチャレンジしてみたいと考えるものです。ただし、お酒の製造には「酒税法」と呼ばれる法律が関与しており、作るうえではいくつかの制限を課されます。 なかにはお酒を作るだけで違法とされるケースもあるため、お酒を自作する際は酒税法に気をつけなければなりません。今回は、お酒を自作する際の注意点について解説します。 ▼夫婦2人で「6缶パック」のビールを1週間で消費! これって飲みすぎ? 健康のためにもやめるべき?
お酒を自作する際の注意点
お酒の自作は「自分や家族で飲む分には問題ない」といわれますが、お酒のアルコール度数や内容物によっては、自作が違法になります。こちらでは、お酒を自作する際の注意点を3点紹介します。 ■新たにアルコールを発生させると違法 酒税法第7条および第54条では、製造された飲料物にアルコールが1%以上含まれるものを作る場合には、酒類製造免許が必要とされています。例えば、麦とホップを使ってビールを作る際、アルコールが1%未満なら合法、1%以上なら違法です。 世の中にはビールを自作するための「ビールキット」という商品が存在します。酒税法に抵触しているように思われますが、キットの仕様上、手順通りに製造すればアルコールが1%未満に収まるように作られています。そのため、違法ではありません。 ■お酒を使う場合はアルコール度数20%以上 酒税法では、製造するものにアルコールが1%以上含まれると違法ですが、例外としてアルコール20%以上の酒類を使って果実類を漬ける場合には、製造が許されています。代表的なものでいうと「梅酒」です。梅酒はアルコール20%以上のホワイトリカーに梅と氷砂糖を漬けて作るため、酒税法による例外規定をクリアしています。 一方で、ワインに果実を漬けて作る「サングリア」は、酒税法上は違法です。サングリアに使うワインはアルコールが20%以下のため、酒税法における例外規定をクリアしていません。 また、ホワイトリカーの代わりに焼酎を使って梅酒を作るケースもあります。焼酎にはアルコールが20%を下回る種類もあるため注意が必要です。 ■ぶどうや穀物類を入れない 果実酒を作る際に、ぶどうや穀物類を使用することは禁止されています。具体的には、以下の食材です。 ・米 ・麦 ・あわ ・とうもろこし ・こうりゃん ・きび ・ひえ ・デンプン ・麹 ・ぶどう(やまぶどう含む) これらのものは、発酵によって新たにアルコールを生成する可能性があるため、使用が禁止されています。 ■カクテルは直前かつ家族までならOK カクテルを自分用や家族用に作ることは合法です。しかし、友人に作ったり、作り置きしたりすれば違法になります。一般的なカクテルに限らず、焼酎の水割りや炭酸割りといったお酒にも同様のことがいえます。