【川崎F】家長昭博「最高の景色も谷のような景色も忘れることはない」退任鬼木達監督と熱い抱擁
<明治安田J1:川崎F3-1福岡>◇第38節◇8日◇U等々力 川崎フロンターレが今季限りで退任する鬼木達監督(50)のラストマッチでアビスパ福岡に3-1で勝利し、8位でフィニッシュした。 17年に加入し、鬼木監督と8シーズン過ごしたMF家長昭博(38)が先制点を奪った。 前半8分にFW小林悠(37)のシュートを相手GKが弾き、角度のないところから左足でゴール右に決めた。「いいとこ飛びました」とあっさり振り返った。 得点後には、チームメートを振り切って、ベンチ前にいた鬼木監督のもとへ走り、熱い抱擁を交わした。「ゴールを決めるということは考えていなかったので、たまたま決められて、たまたま行きました」と家長らしく淡々と語った。 この8シーズン、鬼木フロンターレの中心選手として7冠獲得に大きく貢献した。ベテランの域に達しても、ストイックな姿勢で若手の手本となり監督からも全幅の信頼を置かれた。「感謝しかないです。8年間一緒に戦ってきた監督ですし、それは濃密な時間だった。感謝しかないです」。 海外も含めて数多くのクラブを渡り歩き、多くの監督のもとでプレーしたが、最も長い8年間ともに過ごした鬼木監督には特別な思いがある。「最高の景色も見せてもらいましたし、逆に谷のような景色も自分は見たような気もするし。でもそれは鬼さんが監督のときに見せてもらった景色なので忘れることはないと思う」。クールな口ぶりに熱がこもった。【佐藤成】