“新鮮”“おしゃれ”「昭和レトロ」がアツい 若者が支持する背景はトレンドサイクルと子供や孫への影響が重なった?
SNSがきっかけで復刻 大人気に
店内の一角にある戸棚に、懐かしい色合いの食器が並んでいるのが目に入った。 食器は、創業200年の日本のガラスメーカーが手掛けた「アデリア」というブランドで、昭和の家庭で親しまれてきたものだという。甲斐さんによると、アデリアは近年、「アデリアレトロ」という名前で復刻版が販売され、大変な人気だという。 アデリアレトロの担当者に人気の秘密を尋ねた。販売促進担当の吉澤有由夢さんによると、昭和時代からあったデザインを復刻版として販売したところ、「このカタチがレトロっぽい」「クリームソーダを入れるとかわいい」といった反響が大きく寄せられたという。 復刻のきっかけは、SNSだった。「アデリアレトロ」企画メンバー デザイン担当の杉本光さんが語る。廃盤になった昭和時代のアデリアの商品写真をSNSで公開したところ大きな話題となったことから、アデリア愛好家が喜んでくれるのではないかと復刻を決めた。その後、復刻版を製作する過程でもヴィンテージのグラスサンプルをSNSのフォロワーの愛好家が開発用に貸してくれたりするなど、SNSが役立っているという。SNSがリードする現代の流行のカタチだ。
専門家「トレンドは20~25年周期」
「昭和レトロ」は、デジタルという流行の波に乗って若者の心をくすぐっている。世代間のトレンドに詳しく、「ホンマでっか!?TV」などでおなじみの評論家・牛窪恵さんは、「トレンドは20年から25年周期でやってくるため、そのぐらいたつと新鮮さが蘇ってくる」と分析する。 背景にあるのは、この20年くらいの間に子供や孫と仲のいい昭和世代の人が増え、子供や孫に与える影響がまさにトレンドのサイクルと重なっているのではないかということだ。 「昭和レトロ」の調査から見えてきたものは、SNSなどの新しいデジタルツールが流行を先導する一方で昔ながらの「アナログ」の世界を楽しむ、現代人のハイブリッドな暮らしの姿だった。 (鹿児島テレビ)
鹿児島テレビ