名門ラグビー部をパワハラで解任された“しくじり監督”が、現場の指導者に伝えたいこと
● 「俺みたいにはなるな!」 私の失敗を指導に活かしてほしい 私は今、流通経済大学ラグビー部のアドバイザーを務めるかたわら、講演活動をとおして自らの失敗について語り続けている。私の「しくじり」を、これからの時代をつくる指導者、リーダーの教訓として活かしてもらいたいと考えてのことだ。 かつての私のように、しくじる指導者を、これ以上出してはいけない。 「俺みたいにはなるな!」 そんな思いが、今の私を動かしている。 ラグビー部のアドバイザーとしては、選手を直接指導するのではなく、指導者の指導を主に手がけている。 たとえばコーチに対して、選手とのミーティングをどう進めていったらいいのかということを、アドバイスするのだ。 具体的には、選手に対して、 「なぜ今、ラグビーをしているのか」 「何のためにラグビーをしているのか」 「将来どんなプレーヤーになりたいのか」 「そのためにどんな課題があるのか」 といった質問をしながら、理想と現実とのギャップを本人に認識してもらう。 そしてさらに、1つひとつの課題について、 「課題をクリアするには何をしたらいいのか」 と質問しながら、本人が理想と現実のギャップを埋めていく、コミュニケーションの方法などを、コーチに指導している。
松井英幸