軍事境界線の北朝鮮側、送電塔3基が倒れる…韓国からの送電用で4年前まで稼働
【ソウル=依田和彩】韓国軍合同参謀本部は3日、南北軍事境界線付近の北朝鮮側にある送電塔15基のうち3基が倒れたことを確認したと明らかにした。北朝鮮は2023年末に平和統一路線の放棄を表明し、韓国へのけん制を強めている。 【動画】北朝鮮を眺めながらコーヒー飲めるスタバの新店舗
韓国軍によると、11月30日に送電塔が倒れたことを確認。それに先立ち、北朝鮮軍が送電線を切断している様子も確認したという。切断された送電線の重みに耐えきれず、送電塔が倒れたとみられる。
韓国主要紙・東亜日報によると、送電塔は南北軍事境界線の北側にある開城(ケソン)工業団地に韓国から送電するため、韓国電力公社が建設したもので、20年まで稼働していた。
韓国統一省は3日、「不法な財産権の侵害行為は必ず中断されなければならない。断固として対応する」との立場を示した。
北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党総書記は今年1月、南北間の道路などを「物理的に完全に切断」するよう命じ、10月15日には韓国との間を結ぶ道路の北朝鮮側の一部区間を爆破した。