メスの性フェロモンで死んだふりから覚醒、害虫のアリモドキゾウムシ 琉球大など
性フェロモンと似た化学構造を持つ酢酸エチルなどエステル類が充満した中でも覚醒が早くなるか調べたが、死んだふりをしているオスは性フェロモンが充満した中でのみ早く覚醒した。
アリモドキゾウムシは、捕食回避のためずっと死んだふりをすると繁殖のためにメスを探すことができなくなる。捕食回避と交尾相手の探索それぞれにどれだけ時間を割くかはトレードオフの関係にあるが、「メスが出す性フェロモンによって捕食回避よりも繁殖を優先することが初めて明らかになった」と日室協力研究員は話す。
今後はオスの若さや交尾経験が性フェロモンによる死んだふりからの覚醒にいかに影響するかなどを調べ、性フェロモンを用いて既存の不妊虫放飼法の駆除効率を上げるための基礎的な生態学的知見を得ていきたいという。
研究は、岡山大学と共同で行い、日本動物行動学会の国際学術雑誌「ジャーナルオブエソロジー」に6月3日掲載された。