ENEOSは営業益49%減…石油元売り3社の24年4-9月期、全社が大幅減益の要因
石油元売り3社の2024年4―9月期連結決算が13日出そろい、全社が各利益段階で大幅な減益となった。各社とも実質的なマージンは堅調に推移したが、油価の下落局面に伴う在庫影響の悪化などが響いた。25年3月期連結業績予想は、ENEOSホールディングス(HD)と出光興産が営業減益、コスモエネルギーHDが営業増益を見込む。 ENEOSHDが同日発表した24年4―9月期連結決算(国際会計基準)は、営業利益が前年同期比49・9%減の1460億円となった。在庫影響を除く営業利益は同22・6%減の2082億円。油価の負のタイムラグ影響や、金属事業で前期に計上したカセロネス鉱山売却に伴う一過性利益がなくなったことも利益を押し下げた。 出光興産は、在庫影響を除く営業利益と持分法投資利益の合計は同41・4%減の1140億円。燃料油の海外市場低迷による輸出マージンの悪化や石炭市況の下落も影響した。コスモエネHDは、在庫影響を除く経常利益は前年並みの水準で着地した。 25年3月期連結業績見通しは、ENEOSHDが前回予想に対し各利益段階を上方修正し、出光とコスモエネHDは据え置いた。ENEOSHDは、営業利益見通しを前回予想から200億円引き上げた。石油製品の輸出市況悪化による数量減などの減益要因を、情報通信材料の増販などによる増益効果が上回ると見込む。売上高は輸出数量の減少で6000億円下方修正した。 また、堅調な業績の進捗(しんちょく)を踏まえ、年間配当は4円増額し26円とする。「中期経営計画目標達成への私の決意と株主重視の姿勢を改めて示す」(宮田知秀社長)と説明した。 出光興産は通期に対し24年4―9月期実績の各利益段階の水準は60―80%で順調に推移しているが、足元の油価下落などを踏まえて予想を据え置いた。