ルクレールを30周抑え続けたピアストリの走りをマクラーレン代表が称賛「精神的な強さも示した」/F1第17戦
マクラーレンのチーム代表を務めるアンドレア・ステラは、F1第17戦アゼルバイジャンGPでのオスカー・ピアストリについて、ライバルを追い抜き逆転優勝を飾った走りを称賛した。 【写真】2024年F1第17戦アゼルバイジャンGP 優勝したオスカー・ピアストリ&アンドレア・ステラ代表(マクラーレン) アゼルバイジャンGPの20周目、ピアストリがシャルル・ルクレール(フェラーリ)を追い抜いて優勝を決めたことにルクレールは驚いたが、ステラですら、この若いオーストラリア人がそのような大胆な動きをするとは予想していなかったと認めた。とりわけピアストリは、レース序盤でルクレールと接触したときのような問題を起こさないように、レースエンジニアからタイヤに注意するよう指示されていたのだ。 一見冷静で動じない態度の裏に非常に感情的な一面を隠しているステラは、「あれを目にして彼の走りを見たとき、本能的に『彼は強気に出るだろう』と思った。ルクレールがあそこでブレーキをかけたのなら、そこがブレーキングポイントに違いないと思ったし、オスカーはブレーキをかけるのが遅すぎた」と認めた。 ピアストリが実際にコーナーのエイペックスに到達し、状況を完全にコントロールしているように見えたという事実から、ピアストリのドライビング能力と非常に冷静な判断力に対する明らかな称賛を、ステラはさらに強めた。 「そのレース運びの精度、そして実際にターン1のイン側の縁石のエイペックスにいたことは、かなり驚きだった」 「だがオスカーはいつも才能と能力で我々を驚かせるが、今日は精神的な強さも示してくれたと言えるだろう」 明らかに速そうに見えたルクレールを30周にわたって後ろに抑え続けたことについて、ステラは次のように指摘した。 「オスカーは、このようなプレッシャーを受けた経験が豊富な人物のようにドライビングしていた。片目でミラーを見て、もう片方の目でブレーキングポイントがどこにあるかを確認できるようなドライバーだ。そしてオスカーは、改めて非常に高い精度で、かなり制御した上でやり遂げた。無線で話しているときでさえ、大変よくコントロールできている様子だった」 「彼は驚異的なドライバーであり、今日も素晴らしい走りを見せた」 ステラは、ピアストリがルクレールを抑えられたのは、マクラーレンのトップスピードのおかげだけではないと説明した。彼らがラインを通過したときの差が0.2秒に満たないラップさえあったが、ステラは「それはさまざまな要因の組み合わせによるものだったが、90%はオスカーと彼の判断力によるものだと思う」と称賛した。 「一番大変だったのは、初めて防御をしなければならなかった時だろう。なぜなら、こういった動きを初めてやる時は、実際に参考になるものが何もないからだ。最初の後、彼はいくつかの参考になることを見つけたと思う。それにより、その後は彼にとってより簡単になったと考えている」 「しかし初めて行う場合は、攻撃を受けないように、非常に正確に物事を判断する必要がある。次のDRSゾーンがあるターン3に対処するか、ターン2での攻撃に備えるのだ。マシンの10%がオスカーにとって有利になったのは、マシンのトラクションが優れているからだと考えている。特に1コーナーで100馬力かそれ以上になると、リヤエンドの状態がよくなることが分かっている。そして、これは間違いなくオスカーが発揮したことだと思うが、ドライビングの観点から彼の正確さなしにはうまくいかなかっただろう」 [オートスポーツweb 2024年09月18日]