原発のごみ、日本に埋める場所ありますか? 1.なぜ地下に埋めるのか?
吉田:はい。では、話のほうに入りたいと思います。私も、大学で大学院生とか学生にその授業をしていますので、話としてはどちらかというと、あちこち飛んだり、横道にそれたりはするんですが、今日は時間も限られていますので、できるだけそういうことのないように努力したいと思います。 あと、ここにタイトルをいただきましたが、「日本に埋める場所ありますか?」ということなんですけど、なぜ私がその地層処分のことを25年もっていうか、大学院のときに、名古屋大学で地質学をやって、それでこちらのほうの研究に移ったかっていうことなんですけど。ちょうど私が大学院のときにあった事件が、チェルノブイリの事故でした。その事故のときに、結局そのチェルノブイリは石棺といいますかふたをして、今はそれが地上にずっと残っているという状態で、結局その周辺、半径30キロぐらいでしょうかね、そこは未だに住めないとか、そういう状況が今も続いているのではあるんですけど。そのときに、やはり、すでに放射性廃棄物っていうのはあって、それをどうするのかっていうような研究、あるいはその議論っていうのはもうすでにされていました。 で、そのときの私の恩師といいますか、先生が、「君、吉田くんね、地質学をやる、なんのためにやるんだろう、よく考えたほうがいいよ」っていうことを、そのときに薫陶をいただいたっていうのを今でも覚えてますが、正直言って私のモチベーションはそこにあります。今、岩崎さんからもちょっとありましたが、日本で地層処分をする。本当にできるんだろうかっていうのを自分で知りたいというのが正直に、そのときから今もこの研究をやっているモチベーションになっています。 で、極端なことを言うと、私はたまたま地質学をやっていましたが、要は自分でやっぱり判断したい、あるいは自分で何が分かればそれが理解できたと言えるのか、あるいは何が分からないことが問題なんだろうかということを、やっぱり知りたい。あるいはそれを研究して、できれば分かっていることは論文とかそういったものを著して、そして皆さんと共有化していきたい。それがもう1つのモチベーションになっているということです。 そういう中で今日、話の中身は、全てをお話しすることはできませんが、これまでの研究の内容とか、日本の地層、地質ってどうなっているのかとか、自分がこの25年間、30年間ぐらいかけて分かってきた部分。あるいは私だけではないですけど、私の同僚や共同研究者ともやってきて、分かってきたことをベースにお話をします。なので、それでもし、分からない部分もあるかもしれませんが、そういった部分は質問の時間とかそういうときにお話、あるいは聞いていただければと思います。 岩崎:今日、終了後に10分ほど質疑応答の時間を設けていますので、分からないことがありましたら、ぜひそのときにお聞きください。ではお願いいたします。