パーマで合同トレ参加も…中心選手から即丸刈り指令 18歳への“洗礼”「えって思った」
高卒1年目で1軍に2試合出場…打席には立たなかったが貴重な経験を積んだ
2軍のオープン戦では途中からスタメンで出るようになったという。「藤井寺球場で、当時、監督だった井上登さんに『宇野、ちょっと代打で行け』って言われて出たらホームラン。それからは打っても打たなくても5番を打たせてくれたんだよ。開幕してからもそう。で、ジュニアオールスターに出たりして、その後に1軍に上がった」。 高卒1年目、1軍初出場は7月29日、本拠地ナゴヤ球場でのヤクルト戦で8回から遊撃のポジションに就いた。打席に入ることはなかった。8月3日の広島(広島)にも途中から遊撃守備に就いた。打席が回ってきたが、代打(関東孝雄内野手)を出されて交代となった。1年目の1軍出場はこの2試合だけだった。「10日くらいしか1軍にはいなかったよね。1軍の事情による人数合わせで上がったんじゃないのかなぁ」。 初めて経験した1軍の世界。やはり2軍とは違っていた。「1軍のベンチはウォーリー(与那嶺要)も野球には厳しい監督だったし、星野(仙一)さんもいたし、ゲーム中はピリピリしているわけよ。そういうのは感じたよね」。レベル的にも「2軍ではついていけると思ったけど、1軍ではそういうことは……。そんなことを考えるよりも緊張感の方が上だった。代打を出されても何とも思わなかったよ」と話す。 「まぁ明日からファームって言われた時、1打席も立っていないんだなぁとは思ったかな。それはちょっとがっかりしたというのはあったかもしれないけど、落とされて悔しいとはまるっきり思わなかった。だって高校出の1年目だったからね」。とはいえ、1年目から1軍の厳しい空気を味わったことは大きなプラスになったことだろう。“大島指令”で実質丸刈りからスタートしたプロ生活で、宇野氏は着実に成長していった。
山口真司 / Shinji Yamaguchi