最高降雪量90センチ…「冬の嵐」に襲われた米中部に警報発令
米国が新年初めから類を見ない大雪と寒波で苦しんでいる。中部と東部地域に「10年ぶりの最大の大雪」が襲ってからだ。一部の地域では90センチ以上の雪が降ったところもある。 【写真】車に積もった雪を片付けるシンシナティ市民 5日(現地時間)、米国国立気象庁は米国中部地域を中心にこの大雪や氷雨、強風と酷寒の冬の気象災害を予報し、冬の暴風による「10年ぶりの最大の大雪」警報を一部の地域に発令した。 AP通信など米国メディアによると、すでに一部の地域で冬の大雪が始まっており、中部と東部地域には平均最大35センチの雪が降った。米国気象庁は、「今後も最高20センチを超える積雪量で、陸上での移動が難しくなることに備えなければならない」と警報を発令した。 すでにカンザス州全体やネブラスカ州西部、インディアナ州の一部地域には雪と氷が主要鉄道区間を覆っており、交通が難しくなっていると各州の国立気象庁支局が発表した。 少なくとも20センチ以上の大雪が予想される地域は、週間高速道路第70号線の北部地域で、カンザスとミズーリ地域にはすでに冬の暴風警報が下されている。 冬の暴風は時速45マイル(72.42キロ)を超える強風が基準であり、この冬の暴風警報は6日から7日未明の間に東部地域のニュージャージー州まで拡大される。 今年の冬、暴風と大雪で米全国で6300万人以上が被害を受けるものと予想されると、国立気象庁は注意を呼びかけた。 気象庁の予報によると、インディアナ州に大雪が最も激しく、竜巻の発生の可能性も大きい。これを受け、インディアナ州警察は、自動車運転者らに対し、除雪作業が全て終わる前に道路に出ることを控えてほしいと呼びかけている。 カンザス州では土曜日の4日午後、すでに地域によって25センチの雪が降り、今後平均35センチ以上の大雪がカンザス州と北部のミズーリ州に降るものと予報されている。 ケンタッキー州とニューヨーク州北部にも5日夜まですでに最高90センチの積雪量を見せた所も多く、今後6日までオハイオバレーと大西洋沿岸州に低気圧前線が拡大すれば、大雪被害もさらに大きくなるものと予想される。 暴風雪がフロリダ州まで南進する可能性も予想されている。 バージニア州警察は5日、暴風雪が始まって以来、少なくとも135件の交通事故が報告されたと発表した。負傷者は発生したが、死者はなかったと警察は述べた。 航空機と鉄道便も暴風雪でキャンセルされ、全国の鉄道には5日の20件から6日の40件、7日の予約まで2件がすでにキャンセルされた状態だ。中西部からニューヨーク、シカゴのような大都市に向かう列車は5日、運行が見送られた。 セントルイス・ランバート国際空港だけで200便余りの離着陸が中止となり、気温がさらに下がる場合、6日以降には全国のほぼ3分が2に該当する東部地域で酷寒で航空旅行が支障を受ける。 今週中には暴風の強度がさらに大きくなり、当分の間、長期的に気象災害に備えなければならないと気象庁は明らかにした。 このような厳しい寒さは、たいてい北極周辺を覆っている強力な寒波の極渦(polar vortex)が原因だ。渦が南に広がり、拡大するたびに米国、欧州、アジアなどの国々が殺人的な寒さを経験することになる。科学者たちの研究によると、このような北極寒波の拡張の原因は、急速に溶けている北極の氷と極地気温の上昇のためだという。