【全文】BBC日本語版開設(下)「ニュースの信頼性の源泉は組織か個人か」
ニュース機関も直面するネット広告の問題(イーガン)
津田:なんかジムさんにやっぱりちょっとお伺いしたいのは、記者を前面に出していくと当然それで、出た記事によってネット上の反応で、やっぱりネガティブな反応がたくさんくるっていう、いわゆる炎上みたいなことが起きたときに、BBCとしてはそれにはどういうふうに対処する方針を持っているのかなっていう、この辺りちょっと伺ってみたいな。 イーガン:もう一度質問していただけませんか。 津田:ネットで、BBCが作った記事でネガティブな反応がたくさん付いて、Facebookで出てきたときに、BBCとしてはどう対処していくのか。方針は決まっているのか。今後、たぶん日本でもそういうことが起きうるときに、どういう対処方法を考えているのかっていうのをお聞きしたいなと。 イーガン:例えばBBCのニュースに対してのネガティブな反応についてですね。はい。まず、基本的なエディトリアルなテストっていうのがあるんです。これはレポーターが非常に人気があるかどうかってことではなくて、BBCの評判というのがありますので、正確性と、また公正、また、バランスが取れたというものが必要であります。 これは私たちはジャーナリストの信頼ということがあるわけです。それで、私たちは世界各地のレポーターとの間に信頼感があります。またBBCの中でも、例えばサッカーとか、チームの中では誰もが均一であると。例えばBBCのブランドの下で、これはその中心にあるのは信頼であると。 もう1つ、信頼ということについてお話ししたいと思います。これは視聴者と報道機関との間の信頼についてお話ししたいと思います。これが「A NEW DEAL?」ということなんですけども、クエスチョンマーク付きです。ニュース報道機関というのは、まだこれはインターネットとは十分対応し切れておりません。インターネットと活字メディア、特にアメリカとか何千人ものジャーナリストがこの15年で失業しました。また、最近でもテレビのニュースでも、また、日本とかイギリスとかそういうところ、先進国では、インターネットがもっとどんどんポピュラーになってきております。 そうすると、インターネットの広告の方にも進出してきておりますけれども、そうすると新しい方向ができます。あと、広告が急に出てくるわけです。アドブロッキングですね。これはソフトウェアが出てくるわけです。このアド・ブロッキング・ソフトウェアがいろいろ出て、App Storeでもってやります。これはまだ、業界としてはまだ低い段階ですけども、ドイツで『ビルト』サイトを見ようとすると、このアド・ブロッキング・ソフトウェアと、このサイトにはアクセスできないという風になるわけです。 そうするとこういうことが、報道機関としてこういうことをやりたいことですか。これはカスタマー、お客さんに対して拒否するわけです。これは使うということは、ニュースのソースのアクセスを否定するということです。でも、視聴者を、コンテンツのアクセスを拒否するということは、非常に大きな問題です。音楽でもそうです。この20年間、いろいろな音楽家、レーベルとかそういうところがありますけれども、20年間、いろんな問題を起こしてきました。音楽界では今、特に今、ようやくニュースの機関でも、これからどんどん革新して新しく解決策が生み出されると思います。