【全文】BBC日本語版開設(下)「ニュースの信頼性の源泉は組織か個人か」
ニュースをどう読みとくかを示すのがソーシャル(津田)
加藤:ではいきます。じゃあ、またいっせーのせで。はい。ああ、もういっせーのせ、いっちゃった。じゃあお見せください。NEW DEAL、見識、ALGORITHM。組織か個人か。見えますか。田端さんが「組織か? 個人か?」。藤村さんが、「見識 ALGORITHM」。津田さんが「ニュースの読み解き ニュースの発掘 情報源」。で、ジム・イーガンが「A NEW DEAL?」、ですね。はっきり言って意味が分かりません。なので、またご説明いただければと思いますが、どうしようかな、じゃあ最後まで書いてらした津田さん。 津田:これは僕のオリジナルではないんですけど、ジュリアン・アサンジが言ってたことなんですね。ジュリアン・アサンジが言っててなるほどって思って感心したので僕も授業なんかでよく使ってるんですけど、ソーシャルメディアがこれだけ普及した、スマホが普及した中で結局伝統メディアって何をすべきかっていうことと、で、逆に言うとソーシャルメディアの役割っていうことをアサンジが定義してるんですね。 これは実はすごく、彼の経験自体に裏付けられていて、2005年とか2006年ぐらいにウィキリークスというのを立ち上げて、立ち上げて要するにもう匿名で誰でもリークをすれば、ネット上にそういうふうにリークの真偽不確かな情報が出てくる。それをいろんな市民が、いわゆるCGMみたいな形でジャーナリストのような役割を果たして検証をしてくれると思ってウィキリークスって立ち上げたんですけど、結局2、3年、そこからあんまりウィキリークス、盛り上がらなかったんですね。で、盛り上がらなくて、結局、それでアサンジが分かったっていうふうに言ってたのが、結局、やっぱり情報の検証っていうのはプロのジャーナリストとか法律が詳しい弁護士とか公認会計士とかじゃないとやっぱり、もう分かんないと、そういうリークされたものが本当かどうかは。だから、要するにジャーナリズムの機能というのはやっぱりプロがやるべきなんだと。 だけれども、ソーシャルメディアというのは別の役割があるよねっていうことを言って定義したのがこの3つで、要するにプロが作った伝統メディアのニュースっていうものには、それはいろんな読み解き方があるよねと。例えばだからこのニュース、BBCが報じたこのニュース、でも自分の社会学の経験をもとにやればこういうふうに読み解けるよね、とか、ITの側面から見たらこうなるよねっていう、やっぱりソーシャルにはたくさんいろんな専門家がいる。で、いろんな人が視点、ニュースをどう読み解くのかっていうことを、それをソーシャルメディアで見ることによって、自分の価値判断ができるんじゃないか。それは1つの機能である。 もう1つは、まさにさっき、難民イラストの件なんかは分かりやすいですよね。本来だったら、かつてだったら埋もれていたであろうニュースっていうのをアジェンダビルディングする。そういうソーシャルメディア上で、本当だったらこれは報じてほしいことを、ソーシャルで炎上させることによって伝統メディアが取り上げて、アジェンダになっていくという、そういうスピーカーの機能が、発掘の機能があるだろうと。 そして最後は、もうもはやネットにあること自体が、もうそれが情報源になってると。記者っていうのは当然取材して、できれば公開の情報を基に取材するっていうことはあんまりやらなかった。やっぱり自分だけの特ダネを取りたかったんだけれども、今はやっぱりニュースの種っていうのがソーシャル上にたくさんあるので、ソーシャルメディアっていうのはそういう記者が取材をするための情報源でもあるんだよっていう。そこがだから実は伝統メディアとすみ分けしていくんじゃないかっていうふうに言っていて、この辺りはやはりキーワードなのかなと思いますけどね。 加藤:ありがとうございます。そういう、記者が発掘の場が変わっていったっていうのは自分も多少実感するんですけれども、それに対して藤村さんであるとか田端さん、どのようにお考えでいらっしゃいますか。