ホンモノの「ハコスカ GT-R」で伝説のレーサーレプリカをつくった! 黒澤元治仕様の「スカイライン 2000GT-R」の最新フルチューンメニューを紹介します
本物のGT-Rで製作したレーサーレプリカ
そんな偉業を成し遂げたレーサーに導かれ、貴重なKPGC10型スカイラインGT-RをGCレーサーとして作り込むのは、山梨県在住の金山さんだ。当時を懐かしく想い、レーサーレプリカとして製作したハコスカは世に数多く存在する。しかし、本物のGT-Rでレプリカ製作に挑んだ車両は数少なく貴重だ。ゆえに、きっちり仕上がった金山さんのマシンには、レースにおいて絶対王者として君臨していた時代を永遠に伝えようとするこだわりを強く感じる。 GCレースファンであれば、金山さんの愛するGT-Rのカラーリングを見ればピンとくるはずだ。50勝までの道のりにおいて、つねに上位争いに関わり、同じチームの高橋国光選手とも熾烈なバトルを繰り広げた名ドライバー黒澤元治選手をリスペクトして製作。これはあまり知られていないが、黒澤元治氏は、かつてハコスカGT-Rの開発テストドライバーを務めていた。世の中的な知名度は50勝目を記録した記念ドライバーである高橋国光氏が一般的に知られているが、レースのこと、ハコスカGT-Rのことを良く知る人にとっては黒澤元治氏との関わりがもっとも長くて深いことは周知の事実だ。
最強最速のストリートマシン
金山さんは、そんな伝説の人物とマシンをリスペクトして自らのハコスカGT-Rを製作。カラーリングも含めて赤白の伝説のマシンを公道仕様として作り込む。 レプリカとして再現性も素晴らしい出来栄えだが、金山さんのこだわりは、見た目もそうだが中身のメカニズムのことをとくに考えて作り込んでいた。搭載するS20型エンジンは、ソレックスφ44mmキャブをセットするだけでなく、フルチューンユニットとしてヘッドチューン、ポート研磨、リセス加工といったメカチューンを施す。そして、タコ足はワンオフのステンレス製で、もちろん等長タイプとして長さを揃えて製作。ストリート仕様というだけでなく、サーキットにおいてもそのポテンシャルを発揮できるように、トランスミッションはR32タイプM用に載せ替え、OSメタルクラッチに機械式LSDで駆動系を強化し固めている。 本気のレースマシン以上のチューニングを施した金山さんのハコスカ・レーシングGT-R。最強最速のストリートマシンとして、このクルマは只ならぬ特別なオーラを放っている。