“ダウン症の子”を子育てする母は?子どもの素朴な質問「生まれてきた赤ちゃんに障害があったら……」にどう回答
突然終了した不登校
2年生になると、エイデンくんの食が細くなり体重も減っていき、吃音のように言葉を繰り返す様子も見られるようになり、両親ともに危機感を募らせたといいます。 「とうとう、昼間は外に出たくないとまで言うようになってて……。高校生くらいであれば、不登校の場合の居場所の選択肢もあるのですが、まだ小学2年生です」 小学校2年生の秋、思い切って1クラス20名前後で、国際教育に力を入れている私立小学校へ転入することに。インターナショナルスクールではないものの、2人の担任のうち一人は外国人。一般的な公立小学校とは違う雰囲気の学校です。すると、何事もなかったかのように普通に通うようになったのです。 「入学金を払っても、行くかどうかは分かりません。正直、賭けでした。新しい環境でゼロから始めるというのが、息子にとってもよかったのかもしれません」
登下校の日々から生まれた絵本
毎朝公立小学校に一緒に登下校していた時期、なんとかして学校に着くのを遅くしたかったのか、エイデンくんが不思議な問いかけを瑞穂さんにするようになりました。 例えば、「もし、僕の髪の毛が青かったらそれでも僕のことを好き?」「もし、僕が猫だったら、それでも僕のことを好き?」など。 その度に「大好きだよ」と愛情を伝えていました。この会話が面白いなと思い記録をするようになりました。 エイデンくんが新しい学校に通い始め、一緒に路線バスに乗ろうとしたある日。ダウン症の青年がICカードを使いこなしバスに乗り込み、スマホで天気予報を調べている姿を見かけたのです。 「あのお兄さんすごいね!(ダウン症の妹)まりいちゃんもきっとなんでもきるようになるんちゃうん!?」と、テンション高くエイデンくんに話しかけると、 「いつか僕がパパになって、生まれてきた赤ちゃんがダウン症だったら、僕はどうしたらいい?」と、ぽそりと返ってきたのです。この問いかけに、瑞穂さんは言葉を失ったと言います。