ふっくら&濃厚!「牡蠣とほうれん草のクリームパスタ」…冬のごちそうをプロの技で簡単に
kufura
とっておきのパスタ料理をイタリア料理店のオーナーシェフである小野宗隆さんが教える連載企画【プロが教える本格パスタレシピ】。 【写真8枚】プロが教える「牡蠣とほうれん草のクリームパスタ」の作り方を写真で見る。スーパーの牡蠣でお店クオリティの一皿を! 今回は、冬に恋しい「牡蠣」を使ったクリームパスタを紹介します。とってもシンプルな味付けのレシピなので、牡蠣の旨味をダイレクトに味わうことができるうえ、クリームパスタの基本がよく分かりますよ。お店の作り方なら、スーパーの牡蠣でも絶品に仕上がります!
【材料】(2人分)
スパゲッティー(1.8mm)・・・200g 牡蠣・・・100g(8粒) にんにく・・・1片 玉ねぎ・・・1/2個 ほうれん草・・・1/2把(4株) オリーブオイル・・・大さじ1 塩・・・小さじ1 白ワイン・・・大さじ1 生クリーム・・・200ml パスタのゆで汁・・・100ml こしょう・・・少々
【作り方】
(1)牡蠣の下処理をする 牡蠣に塩大さじ1(分量外)を振って軽くまぶし、水で洗い流します。このひと手間で牡蠣のヌメリや汚れを取ることができます。 (2)野菜を切る にんにくと玉ねぎは薄切りに、ほうれん草は根元を切り落とし、3~4cmの長さに切ります。 (3)玉ねぎを炒めて甘味を出す フライパンにオリーブオイルを熱し、にんにくと玉ねぎを入れて、塩を振ります。玉ねぎが茶色くなる手前まで、中火で3分ほど炒めます。玉ねぎがほんのり色づいたらOKです。 「今回のパスタは甘く炒めた玉ねぎがおいしさのポイントです。ここでしっかり炒めることで、玉ねぎの甘味と旨味が引き立ち、濃厚なクリームソースになりますよ」 (4)牡蠣を炒める 玉ねぎが色づいたら牡蠣を入れ、軽く炒めたら、白ワインを振ります。アルコールが飛んで、水分が少なくなってきたら、生クリームを入れ、ひと煮立ちしたら一度火を止めましょう。 「牡蠣は加熱しすぎると小さく縮んでしまうので、火の入れ過ぎには注意してくださいね」 (5)パスタをゆでる パスタは表示時間より1分短くゆで、残り1分はフライパンに入れてパスタにソースをたっぷり吸わせます。今回は8分ゆでのパスタなので、7分ゆでます。 (6)ほうれん草をパスタと一緒にゆでる パスタがゆであがる10秒前になったら、パスタをゆでている鍋にほうれん草を一緒に入れてゆでてください。7分経ったら、パスタとほうれん草をザルにあげ、水気を切ります。この時、ゆで汁を100ml使うので、忘れずに取っておいてくださいね。 (7)ソースを絡める ソースの入ったフライパンに火をつけ、水気を切ったパスタとほうれん草を入れます。さらにゆで汁を加え、パスタにソースをしっかり吸わせましょう。途中で味見をして、塩、こしょうで味を調えます。今回は塩ひとつまみ(分量外)、こしょう少々を加えました。 「クリームソースの水分量ですが、シャバシャバしているくらいでOKです。ここでちょっと汁っぽいなと思っても、盛り付けて食べていくうちにパスタがソースを吸っていくので、ちょうどいい濃度になりますよ」 (8)できあがり! 器に盛り付けたら、完成です。牡蠣がゴロッとのって、見栄えも豪華! ひと口食べてみると、牡蠣の旨味が口いっぱいに広がり、うーん……幸せ。牡蠣のだしがたっぷり溶け込んだマイルドなクリームソースがとっても濃厚で、冬に食べるクリームパスタって、なんでこんなにおいしいのでしょう! シンプルゆえに牡蠣の旨味をダイレクトに感じますが、さらに玉ねぎの甘味、にんにくの風味がソースの旨味を底上げして、ひとつにまとめてくれています。 「これは基本のクリームソースなので、覚えておくと便利ですよ。パスタではなくペンネを入れてオーブンで焼けば、グラタンにもなります。生クリームがない場合は、ベシャメルソースを作る要領で、薄力粉を振って牛乳を使えばOKです」 筆者は牡蠣が大好きなので、早速スーパーの牡蠣で作ってみたところ、旨味たっぷり! とっても簡単に失敗なくできました! このクリームソースの作り方を1つ知っておけば、具材はいろいろと応用できそう。牡蠣の代わりに、サーモンや鶏肉、ベーコンなどを使ってもいいですね。 小野さんが言っていた通り、フライパンの中ではややシャバシャバでも、器に盛り付けて食べていくうちに、パスタがぐんぐんソースを吸って、汁気を感じないくらいこってりした濃度になりました。なので、煮詰めないで全然OKです! ちょうど来客(ちょっと舌の肥えたフランス人)があったので作ったところ、思った以上に大好評!(笑) 牡蠣が入っているのでゴージャス感があり(なのに本当に簡単なのですが!)、これから年末に向けて人が集まる季節、おもてなし料理にもおすすめです。 冬になると恋しくなるクリームパスタ。牡蠣がぷっくりとおいしくなってきた今、ぜひ試してみてください。 取材・文/岸綾香
小野宗隆
東京都千駄ヶ谷にあるイタリア料理店『Bistro Coco 路地裏』のオーナーシェフ。提携農家の産直有機野菜や無農薬野菜、地元から直送される父親が釣り上げた魚介類、鹿や熊のジビエなど、鮮度のよい食材にこだわる。イタリア料理、フランス料理を中心に料理長としてのキャリアを積み上げ、店舗立ち上げやメニュー開発などを多数経験。ソムリエの資格も持つ。kufuraの料理動画『プロが教える本格パスタレシピ』も大人気。
小野宗隆