落雪や水路への転落…雪の事故を防ぐには“3つのルール”を守ることが大切。屋根の「雪下ろし」はタイミングに注意
冬に注意したいことのひとつが、雪の片付けによる事故やけがだ。 国交省によると、雪の片付け作業では多くの事故が起きていて、年間で100人以上が亡くなることもあるという。死亡事故による犠牲者の約8割は、65歳以上の高齢者だそうだ。 【画像】雪の事故を防ぐための「チェックリスト」を見る 年末年始は帰省先の実家で、雪の片付けを手伝う人もいるはず。自分と家族を雪害に巻き込まないためのポイントを、国交省の担当者に聞いた。最も危険なのは「油断」だという。
雪の片付けで大切な3つのルール
担当者によると、雪の片付けはまず「2人以上で行う」「足場の確認を行う」「安全な装備で行う」を守ることが大切。これは同省のサイトで「雪下ろし安全10箇条」のうち、特に気をつけたい3つで、雪に慣れている人も慣れていない人も、覚えておいてほしいという。 1:2人以上で行う 「雪の片付けを1人ですると、作業中に雪に埋まってしまうこともあります。2人以上で進めることで、事故が起きたり、倒れたりした時なども発見の遅れを防ぐことができます」 誰が今どこで作業しているのかを把握しながら作業すると、安全・安心につながるので、家族や地域ボランティアの人と一緒に片付けるのを心掛けてほしいそうだ。 何かあった際にすぐ連絡できるよう、「携帯電話」を持つことも忘れないようにしたい。 2:足場の確認を行う 「流雪溝(道路下に設置された雪を流す施設)や水路へ雪を捨てる時に転落したり、屋根に積もった雪を落とす時に転落する事故が非常に多いです。足を掛けていい場所か、事前に確認することが大事です」 流雪溝や水路は雪が積もることで、屋根は雪の塊ができることで、雪と歩ける場所との境目がわからなくなることがあるという。どこまで踏み込んでいいのか、スコップなどで確認して目印を付けてから作業するといい。 3:安全な装備で行う 「事故やけがを防ぐためには、雪の片付けに適した装備を着用することが重要です。命に関わることなので、しっかり着けていただくことが事故防止につながります」 足場を確認して2人以上で片付けても、装備が心もとないと、思わぬ落雪や転落などでけがをする可能性がある。雪を片付ける時は、次の装備を身に着けるのが望ましいという。 ・滑りにくい長靴 ・動きやすい服装 ・頭部を守るもの(ヘルメットなど) ・安全帯や命綱(屋根に登る場合) こうした装備は、ホームセンターなどで入手できるそうだ。動いていると暑くなって上着を脱ぐことがあるかもしれないが、できるだけ外さないようにしよう。 また、雪がよく降る地域では、さらに注意すべきことがある。 雪がよく降る地域は、“慣れや油断”によって危機意識が薄れてしまうことがあるそう。 特に注意してほしいのは「屋根の雪下ろし」だ。担当者も「自己流で作業したり、これまでは大丈夫だからと思ったりすると、事故につながるリスクが高くなります」と警告する。