リスクを最小限に抑えるお任せ運用「ロボアド」投資術
「判断を自分でしない」という選択肢も
さて、そんな投資商品のリスクだが、投資にはリスクがゼロという商品はない。タンス預金でさえも、インフレというリスクがある。インフレに勝つためには、物価上昇率を超えるリターンを得なければならない。とは言え、リスクを最小限に抑えることは可能だ。そのポイントは、大きく分けて次の2つと考えていい。 ①リスクを分散させる ②売買の判断を自分でしない 運用の大原則とも言えるのが、①の「リスク分散」だ。金融商品を特定のものに集中投資するのではなく、様々な投資対象に分散することが基本と言える。株式投資も日本株だけではなく外国株にも分散投資することが大切だ。また、個別銘柄だけでなく日経平均株価や米国の株式市場の値動きをあらわすS&P500といった株価指数に連動する「ETF(上場投資信託)」などにも投資しておくことが大切になる。 また、株式だけではなく、債券や金、不動産投資信託(REIT)といった金融商品にも分散投資することが望ましい。最近では、仮想通貨といった選択肢もある。投資商品を分散することでリスクを分散できると考えていい。すべての金融商品が同時に同じ方向に動く確率は低い。株式が暴落するときは金価格が上昇したり、仮想通貨が違った動きになる場合も多い。もっとも、今回の株価暴落では、金や仮想通貨も瞬間的に売られる場面があった。ある程度の覚悟は必要だろう。 金融商品だけではなく「時間の分散」もリスク分散の重要なポイントと言っていい。1年より3年、3年より5年、5年より10年という具合に長期投資を心掛けるほど、リスクは減少し、失敗はより少なくなる。積立投資が良いと言われる根拠だ。 ②の「売買の判断をしない」というのも、重要なポイントと言っていい。個人投資家は、どんなにマーケットのことを学んで、訓練を積み重ねたとしても、自分自身で「エントリー(買い)」や「エグジット(売り)」のタイミングを正確に計ることは、不可能に近い。とりわけ、利益確定や損切りの形でのエグジットは非常に難しい。株式投資では「購入するタイミングは簡単だが、売るときは間違いやすい」とよく言われる。利益確定をどこでするのか、あるいは損切りをどこでするのか、それが正しくできれば、ほとんどの投資家は儲かっているはずだ。 そういった判断をできるだけ第三者に委ねることが資産運用で失敗しないコツのひとつなのかもしれない。たとえば、積立投資のように、定期的に一定額ずつ投資していく方法は誰にでもできるのだが、その利益確定の段階となると個人によって大きな差が出てくる。 投資に向かない人は、たとえば今回のような大暴落に遭遇したときに、慌てふためいてせっかく始めた積立投資をやめてしまう、あるいはちょっとまとまった利益が出ると、すぐに利益確定してしまう。本来なら、もっと運用益を上げることができたはずのリターンをみすみす見逃してしまう。そういう意味でも、個人投資家はできるだけ、資産運用のプロ、あるいは最近になって可能になってきたAI(人工知能)売買にタイミングを測ってもらうのが良いのかもしれない。