世界GP王者・原田哲也のバイクトーク Vol.121「アコスタの走りに『もう勝てないな』と思わされた加藤大治郎を思い出す」
たぶんマルケスとバニャイアは、僕が大ちゃんとの戦いで感じたような「圧倒的な差」を見せつけられたのでないでしょうか。ふたりとも今はまったく認めないと思いますが、一緒のレースを戦う者同士だからこそ分かる差を感じ、メンタル面に少なからず影響があったでしょう。 まだ19歳のアコスタですが、間違いなく近い将来チャンピオンになる器。マルケスもバニャイアも、アコスタに抜かれた時にそのことを痛感したはずです。それにしても、マルケスがデビューした時には「もうこれ以上のライダーは出てこないんじゃないか」と思ったものですが、そのマルケスを超えようという若手が出てくるのが本当にすごい。 レースのレベルが上がって、それが基準になる。そこに追いつこうとして、若者が頑張る。若者には可能性がありますから、頑張っているうちに基準を超えて、新しい基準を創り出していく。そうやって、どんどんレベルアップしていくんですね。世界最高峰のレースはやっぱりすごい、と改めて思いました。 次回は、「世界は本当にすごい。でも、これからの時代、レースって……」という、ちょっと厳しいお話をさせていただこうと思います。 ──チームにも愛されている様子のアコスタ。近い将来が楽しみ! TEXT: Go TAKAHASHI PHOTO: Aprilia, Michelin, Red Bull, ※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。