学校に行くのは週1 前向きな不登校を選択したある親子の挑戦
週1回、体育だけ参加 それ以外は英語で学ぶアートスクールに通ったり、自宅で勉強したりして過ごす
絵里ちゃんのスケジュールはこうだ。 週に1日、水曜日は小学校へ行き、体育だけ参加する。それ以外の日は火・木・土曜日、午前9時~午後2時に、都内にある就学前から通っている英語で学ぶアートスクールで過ごす。金曜日には学校の放課後にあたる時間に、別の探求型の学習塾で、宇宙や動物などいろいろなテーマについて調べたりするプログラムを受けている。月2回、日曜日には、英語で税金や株などお金について学ぶスクールにも通っている。 家庭での学びはどうか。習い事がない日は午前9時~10時に、楊さんが教える形で、英語、算数と国語の勉強をするという。好きな英語の歌を歌詞をみながら歌ったり、楊さんが選んだ教材で漢字を書いたり、計算したりしているといい、「教科書は学校からもらってきているけれど、教科書どおりに教えるのではなく、必要なものを自己流で教える」(楊さん)という。月曜日は月に2回、日本語の家庭教師をつけているといい、1時間半、国語を集中して学ぶ。 自宅での学びでは、子供がついついさぼってしまうこともありそうだが、佐別当さん夫妻は「それはない」と語る。「ずっと勉強せずに、iPadばかり見ていたりとかはすごく怒る。やるときにやらないと時間が無駄だと。算数は計算が難しいから、思考しなくなったりすることがある。そういうときも、ちゃんと自分の頭で考えなさい、と厳しく言う」(佐別当さん) 楊さんは、教科学習以外の部分も大切にしている。「スカーフやドレスを手作りしたり、誕生日ケーキを自分でデザインして作ったりして、生活の中から自然と学ぶということを大切にしている。最近はクリスマスに向けて毎日カウントダウンのクリスマスカードをデザインし、待つ気持ちを英語でカードに書いてもらう」「生活の中にあるものを活かして教育することで、自然に彼女はどんどん自分のキャパが広がっていく。それが重要だと思っている」(楊さん) 夏には台湾人の楊さんの帰省に同行し、数週間台湾で過ごすという。生活から学ぶスタイルで、絵里ちゃんは、英語、中国語、日本語が話せるようになった。 佐別当さんは、「日本でしか通用しない人間になってほしくない」と話す。