2安打完封した織田翔希

秋季高校野球関東大会（28日、横浜2－0東農大二、サーティーフォー保土ケ谷球場）来年3月に甲子園球場で行われる選抜大会の選考の重要参考資料となる大会の準々決勝で、横浜（神奈川）が2－0で東農大二（群馬）を下して4強入り。6年ぶり17度目の選抜大会出場を確実にした。最速151キロ右腕の織田翔希（1年）が2安打完封した。準決勝は11月2日に横浜スタジアムで行われる。 地元開催でスーパー1年生が躍動した。名門の横浜が息詰まる投手戦を制し、来春の選抜大会出場を当確とした。 「しっかり投げて勝利できたのは良かった。安心した。うれしいけど、まだ次もある。まずは関東大会を制覇したい」 雨天により試合開始が約3時間遅れ、「ブルペンでは良くなかった」というが、マウンドでは140キロ台後半の直球で打者を圧倒した。三回の3者連続三振で波に乗ると、四死球も申告敬遠の1つだけ。東農大二打線を2安打に抑え、高校入学後公式戦初完投を、完封勝利で飾った。最後の打者を二飛に打ち取り、1時間54分で試合を終わらせると、駒橋優樹捕手（2年）と笑顔でハイタッチし、控えめに喜んだ。 秋季神奈川大会で優勝し、1回戦シードで準々決勝から登場。打線は東農大二のエース右腕、山田琉聖（2年）を打ちあぐねたが、六回に2死一、二塁の場面で、再三の好守備を見せていた奥村凌大（2年）二塁手が右翼線に2点二塁打。3打数3安打と打撃でも大活躍し、打のヒーローとなった。 織田は福岡・北九州市出身。小1で軟式野球を始め、中3夏に中学軟式日本最速の143キロを記録した。福岡から越境入学し、今春からベンチ入り。夏も背番号18をつけ、強力投手陣の一角として活躍した。秋から背番号10に〝昇格〟。背番号1を背負う左腕の奥村頼人（らいと、2年）も好投手だが、村田浩明監督（38）は「奥村も絶好調だが、織田は試合をするたびに成長している」と織田の先発を決めた。織田は「後ろに頼人さんがいたので」とエースの先輩の存在もあり、思い切って投げられたという。 横浜は春夏通じて甲子園大会優勝5度の名門だが、春は2019年、夏は22年が甲子園大会最後の出場。特に昨年、今年と夏の神奈川大会決勝で敗れており、村田監督は「私にとっては3度目の正直。何が何でも勝たせたかった。この代と一緒に甲子園に行きたかった」と感慨深い様子だった。（尾﨑陽介）