住宅街の町焼鳥なのに、ツウも驚く自然派ワインを満喫できる店を発見!
おまかせ焼鳥✕するする赤ワイン
鳥雅では大山どり、古白鶏、美桜鶏などの銘柄鶏を日によって使い分けて、焼鳥に。炭は火力が強く長時間燃焼する備長炭が使用されている。焼鳥で最も重視しているのは、火入れ。そこには焼鳥店での経験だけでなくフレンチでの修業も活かされ、余熱を巧みに利用。片面はパリッと焼き上げ、もう片面は絶妙に火が入るように焼かれている。
そのため焦げ目はしっかりありながら、鶏のむちむちとしたおいしさが味わえるように仕上げられている。手羽先やねぎまなどはカリッとした食感と脂や肉の強さがグイッとくるが、レバーはなめらかさがしっかりとあり、何本でも食べてしまえるおいしさ。ちなみにおまかせ串は、部位を指定して追加で1本ずつ頼むことも可能だ。
鳥雅では、初めて自然派ワインを飲みたいという人に向けて箱に入ったバッグインボックスのワインを提供している。最近はワインが値上がりしているため、気軽に飲める感覚でなくなってきているが、バッグインボックスであれば値段が抑えられる。もちろん井上さんのお眼鏡にかなった赤・白の2種類ずつが置かれている。「ルナーリアは果実の甘みがあって、素直な自然派ワインの良さが表現されています」と井上さん。果実味がするする入ってくるため、パリッと焼かれた焼鳥と好相性だった。
レバニラ✕やさしい赤ワイン
鳥雅の鶏肉を使った料理の新作が「レバニラ」。生のレバーを低温調理し、ニラと卵黄をのせたもの。醤油だれとごま油の中華風の味付けになっている。食べてみると「とろーり」という食感がぴったりのなめらかさが続く質感。醤油とごま油の風味が漂い、見た目よりも上品な味わいの一皿だった。
井上さんは日本ワインの発掘にも力を入れている。店内には「農楽蔵」「テール ド シエル」などいまや入手困難となった日本ワインのボトルが置かれているが、それらも当初から扱っていたそう。いま一番注目しているのが兵庫県のボタニカルライフ。「とても丁寧に造っているのがわかるワインで、旨みの中にしっかりタンニンもあってレバーに合います」と井上さん。レバーのなめらかさとワインのやさしさが口の中で溶け合うように寄り添っていた。