隠れた名作!ティンバーランドの「スリーアイ クラシック ラグ」が令和のストリートで再び輝く
春夏シーズンに向けた第2のブランドアイコン
イエローブーツによって、一躍グローバルブランドとなったティンバーランド。では、「スリーアイ クラシック ラグ」はいかにして誕生したのか?
「デビューは1978年です。当時、イエローブーツの売れ行きは好調だったものの、編み上げブーツということもあって、春や夏は売れ行きが鈍くなる傾向にありました。ブランドとしては、春夏シーズンに合わせた“第2のブランドアイコン”を生み出す必要があったんです」
そこで目をつけたのが、当時、アメリカのヨットマンたちが履いていたレザー製のボートシューズだった。モカシンタイプのアッパーに、ラグソールを合わせたデザイン。今日の「スリーアイ クラシック ラグ」の原型となったこのモデルはヒット作となり、’80年代には日本に上陸を果たした。
「’80年代終わり頃から’90年代にかけての渋カジブームで、このモデルの知名度は飛躍的に高まりました。ネイビーブレザーにボタンダウンシャツ、ジーンズ、そして足元は『スリーアイ クラシック ラグ』。当時流行していたプレッピースタイルのマストアイテムになりました」
アメリカらしさを感じさせるディテールの数々
「スリーアイ クラシック ラグ」の特徴といえば、手の温もりを感じさせる甲のモカシンステッチだ。 モカシンとはアメリカの先住民が履いていた一枚革のレザーシューズのこと。通常の革靴の場合、木型の上に甲部分の革をかぶせて、木型の下で中底と縫い付ける。一方、モカシンでは木型の下を覆うようにして、木型の上側で甲部分の革を縫い合わせる。 「この製法によって、足全体が革に包み込まれるような履き心地が生まれます。また、丈夫なロウ引きの糸を使ったクロスステッチは頑丈そのもの。縫製は発売当初から手作業で、現在もドミニカ共和国にあるファクトリーで、職人が一足一足手で縫い上げています」
アッパーには最高品質のプレミアムフルグレインレザーが使用されている。
「独自の品質管理プロセスを経て、厳格なテストをクリアしたレザーだけを使用しています。オイルをたっぷり含んだしなやかなレザーは水をはじき、そのマットな風合いは履き続けるほどに味わいを増していきます」
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