料理人であり職人。本気のシェフが作る、情熱の詰まったパスタが忘れられない
ニンニク、唐辛子を加熱したオイルで使用するヤリイカの1/3を炒めたフライパンに、80gのタリオリーニ、イタリアンパセリを加え混ぜ合わせる。
別のフライパンで香ばしくなるまでしっかりソテーしたヤリイカを加え、さらにしっかり絡める。最初から入るヤリイカはパスタにうまみを移すためのもの。ソテーしたヤリイカは香ばしく焼けた香りを立たせるためのもの。フライパンを別にして調理するのが秋野流だ
すべてのバランスが最高。最後までおいしい
仕上げにたっぷりのカラスミと刻んだトレビスをのせて完成。ヤリイカの香り、うまみ、カラスミのコクある塩味をまとったパスタ。トレビスのほどよい苦みがアクセントとなり、食べ飽きることなくペロリと完食だ。
出来立てはもちろんだが、時間が経ってもパスタはぐたっとのびることなく、逆にさまざまなうまみを吸って味わい深くなっていく。一口ごとに味わいの変化を発見できるほど、この一皿で得られる満足感に驚きを隠せない。このパスタだけでワインが進む。
武智さん「噛むほどにセモリナ粉の甘やかな香りが口の中に広がります。手打ちパスタならではの味わい。甘み、うまみ、塩味、苦み……さまざまな味わいが口の中で絶妙に絡み合う、秋野シェフが仕上げたバランスの良さに感服です。」
もっと味わいたい! パスタと共に楽しむなら|もう一皿。「ラ ファーメ」のパスタに心奪われる
もう一皿はショートパスタを。こちらは具材の豚モツと同じような大きさ、食感のパスタ(オレキエッテ)で仕上げることで、同じような大きさながら、モツは柔らかく、パスタはもっちりと異なる食感を実現させている。
仕上げにのせるミニトマトの酸味が、口に残る豚モツのコラーゲンをさっぱりとさせてくれる。やはり、味のバランスが素晴らしく、いつまでも食べていたいと思わせる一皿。シャンパーニュや白ワインと合わせて味わいたい。
武智さん「口に含むとモツの香りがブワッと広がり、噛むとうまみが滲みます。この豚モツソースはそれだけでつまみになるおいしさ。もちもちしたパスタが入ることで食感の幅が広がり、噛む楽しさまで教えてくれます。」