ブロンコにVWバスにシェビー3100もまんまEVで復活! アメリカでヒストリックカーのEVコンバートがじわり浸透していた
日本でも人気なアーリーブロンコをEVとして再生
サステナブル社会の浸透は、なにも省エネ&環境保護団体だけでなく、クルマ好きにも恩恵を与えてくれるかもしれません。ヒストリックと呼ばれるクルマの再生や、レストモッド(レストア+モディファイ)もまたサステナブルな取り組みと捉えれば、大昔の大排気量V8をドロドロいわせたとしても「サステナブルなクルマ趣味」と感心されたりしちゃうというね。そんな取り組みはやっぱりアメリカが先導しています。 【写真】これがEVだと!? コンバートEVとなった名車たち なかでもカリフォルニアでヒストリックカーのEVコンバートを得意とする「キンドレッド・モーターワークス」は、モントレーのコンクールでも注目を浴びるなどしているトップランナー。そんな彼らの仕事ぶりをチェックしてみましょう。 2020年ごろのキンドレッドはフォードのアーリーブロンコと呼ばれる初期ブロンコのレストアラーとして名を馳せていました。ご承知のとおり、アーリーブロンコはここ日本でも人気のヒストリックSUVで、金に糸目をつけないレストアやモディファイが大流行していたのです。 そこで、キンドレッドはほかのファクトリーと差別化するために、EVへのコンバートを模索し始めたのでした。これはさすがカリフォルニアというべきで、すぐさま投資家が現れ、そのなかには俳優のロバート・ダウニーJr.の名前もありました(どうやら、彼はヒストリックSUVのマニアらしいですね)。 ちなみに、以前キンドレッドは最新の5リッターのコヨーテV-8エンジンを搭載したレストモッドもリリースしており、これはこれで人気を博したとのことですが、EVコンバートを始めるときっぱり生産中止! なるほど、株主の意見というのは力強いものです(笑)。 さて、アーリーブロンコのコンバートにはほとんどボディしか面影が残っていません。シャシーはバッテリーやモーターの重さに耐えられるように強化、というより新造され、また、サスペンションも1960年代のストックからマルチリンクへとアップグレードされるなど、現代のハイパフォーマンスSUVになんら遜色のないもの。 むろん全輪駆動で、80kWhのバッテリーパックを使ったデュアルモーターは408馬力と492lb-ftのトルクに匹敵するとされています。ノーマルモデルは200馬力そこそこでしたから、およそ2倍のパワーを得たことになります。 外装はドナー車両をきれいに復活させるほか、顧客のオーダーに応じてカスタマイズも可能となっており、レアなオープンモデルについてもコンバート可能だそうです。 また、インテリアもレストモッドと呼ぶにふさわしく控えめながらカスタマイズ(スマホと連携するタッチスクリーンインフォテインメントユニットやサウンドシステムなど)が加えられるほか、天井までレザーで覆いつくすトリムもアメリカらしいメニューでしょう。 なお、レストモッドが高くつくことはご想像のとおりですが、ここに強力なモーターが加わることでキンドレッドEVブロンコは22万5000ドル(約3300万円)という強気な値付け(笑)。ベーシックバージョンの18万9000ドル(約2800万円)にしても、サステナブル趣味を気取るコストは安くなさそうです。