“バレエ講師をクビになった”投稿で炎上したセクシー女優の半生「最初は炎上していることに気付かなかった」
炎上で「知名度が上がるんだ」と気づいた
――そのあと、バレエ講師を辞めたことをXでポストしたら炎上したわけですが、自分の投稿が炎上していくことに怖さはありませんでした? 藤:それが意外に、怖いとは感じなかったんですよね。事務所の社長から言われるまで、炎上していることに気付かなかったくらいで。「炎上ってこういうことなんだ」くらいの感じでしたね。撮影の直後の疲れで、体調を崩していたせいもあるんですが。 ――セクシー女優がバレエ講師、という部分が炎上した一番の原因だったんでしょうか? 藤:それもあるでしょうけど、一番の原因かと言われるとどうなんでしょうね。炎上が広がると、だんだん何が論点なのかがわからなくなってくるんですよね。「バレエをセクシー女優がやるべきではない」という人もいれば「セクシー女優が子どもを教えるなんて」という人もいて。「私のポストは全部ウソだ」と怒っている人もいました。結局、炎上の「核」がどこにあるのか、わからなくなってしまって。 ――だからこそ、炎上はなかなか収まらないものなのかもしれませんね。しかしあそこまで炎上することも少ないでしょうから、貴重な体験ではあるのかもしれません。炎上のせいで精神的に潰れていたら、こんなのんきなことは言えませんけれど。 藤:なかには「売名行為だ」という人もいて、それで「あ、これで知名度が上がるんだ」と気付きました(笑)。でも今となっては、炎上に参加した人も「そんな人もいたね」ってなっているでしょうから。「話題になるものは連続して作っていかないといけない」と、炎上から学びました。 ――自分の本(『はだかの白鳥』)を出したのも、それがあるからですかね? 藤:はい、そうです(笑)。
セクシー女優になることが将来の「希望」に見えた
――そもそも藤さんがセクシー女優になったきっかけを教えてください。大阪大学大学院を出て、就職して研究職に。安定している状況から、なぜセクシー女優になったのですか? 藤:学生時代は研究に打ち込んで、就職して研究職になって、今までの勉強を生かせるぞ、と希望に満ち溢れていたんです。でも実際には、新しいことをしないと評価されない、でも新しい挑戦ができる環境が整っていない。そんな状況で30歳くらいになったとき、この先のことがなにも想像できなくなってしまったんです。 ――転職などは考えなかった? 藤:転職も、休職して旅に出ようか、とも考えました。でも会社で働く限り、このモヤモヤは続くと考えたら、もっと私が活躍できる場所に行きたい、と思ったんです。で、その当時男性に自分のスタイルや性行為を褒めてもらえることが重なって、セクシー女優としてなら輝けるんじゃないか、と思い付きました。 ――かなり振り切った結論ですね。 藤:性行為に対しては変な自信があったので、セクシー女優。安直ではあるけれど、そのときの私にとっては、それがひとつの「希望」に見えたんですよね。でももし、その瞬間にほかのものに興味があったら、また別の道に進んでいたかもしれません。だからセクシー女優になったのは、たまたまタイミングが合ったから、というだけなんですよ。