1262発打たれ356発被弾の村田諒太・王座陥落を「番狂わせ」と米報道
WBA世界ミドル級王者の村田諒太(32、帝拳)が米国・ラスベガスで同級3位のロブ・ブラント(28、米国)に0-3の判定で完敗、王座から陥落した試合を米国メディアは、一様に「番狂わせ」と報道した。 米国で最も権威のあるリング誌は、「ブラントが村田に番狂わせ。日本人スターに一方的な判定勝ち」とのタイトルで報じた。 「村田はブラント戦に臨むにあたりゲンナジー・ゴロフキンとのビッグマネーの対戦の可能性について語っていた。日本人スターは、無名だが有能なミドル級の米国人選手に100パーセント集中するべきだった」 試合前に村田をプロモートするトップランク社のボブ・アラム氏が、来春にも東京ドームで元統一王者、ゲンナジー・ゴロフキン(36、カザフスタン)とのビッグマッチを行う計画があることを吹聴していたことを“陣営の油断だ”と指摘した。 「ブラントはアウトボクシングに努め、熱心に動き、攻撃的だが単調だったWBA世界王者の裏をかき、1ラウンド平均で100発のパンチを放つ痛快な12ラウンドの末に満場一致で判定勝ちを収めた」と、ブラントの戦術を評価。 「ブラントは1ラウンドで村田の顔面をパンチで捉えて出血させた。32歳で東京から来た村田は、その出血や顔の傷を気にするようには見えず、序盤は、まるで(映画ハロウィンの殺人鬼の)マイケル・マイヤーズのような連続殺人犯の笑みを浮かべながらブラントにつきまとった」と、序盤は、まだ余裕のあった村田の姿を描写した。 新王者は、その村田の笑みについて「(村田の)笑みは気にならなかった。ただ彼を痛めつけていると教えてくれていた。彼の白いマウスピースから血が垂れるのを見ていて、彼をパンチがとらえているのが分かった。彼の笑みはただ自分に力を与えてくれたんだ」と、コメントしており、精神的な揺さぶりにはならなかったようである。 BoxingScene.comは、「ブラントが村田に衝撃を与えてタイトル奪取。ゴロフキン戦のプランが脱線した」との見出しで、ブラントの勝利と、村田がV2成功を前提に計画していたゴロフキンとの東京ドーム決戦が消滅したことを伝えた。 記事は「ブラントがより活気に満ち、とても正確にパンチを放つ中、村田は、結果を変えるための答えを出せなかった。ブラントは、村田のハードなパンチを受けるだけの硬いあごも見せつけた」と伝え、村田の敗戦を番狂わせと表現。 「この番狂わせの勝利は2019年の前半にゴロフキンと村田の大一番を計画していたトップランク社の予定を狂わせた」と続けた。